2015年10月24日土曜日

TMO

ラグビー日本代表の予想外の活躍で、俄然面白みを増したW杯も1次リーグを終え、先週から決勝トーナメントに入っている。
国内はまだジャパン、ジャパンと帰ってきた一行の動静の報道に忙しいようであるが、まぁそれは仕方ないであろう。
今週末は準決勝だし、いよいよクライマックスが近づいていて、興味は尽きない。

さて、そんなW杯であるが、今回改めてTMOが目につく。
TMOとはテレビマッチオフィシャルのことで、要は「ビデオ判定」だ。
ラグビーは特に組んず解れつのスポーツなので、いかにベテランのレフリーでもなかなか正確な判定はむずかしい。
タッチジャッジのサポートはあるが、それも限界がある。
TMOはそんな時、威力を発揮する。

そういえば、先日バレーボールのW杯を観ていたら、やっぱりビデオ判定が導入されていた。
ただし、バレーボールの場合は基本的に「異議申し立て」に近く、チームから要請して行われるもののようだ。
ラグビーの場合は、レフリーが自主的に行うので、回数制限もないし、より公平感がある気がする。

ラグビーは紳士のスポーツだから、基本的にレフリーにいちゃもんをつけるわけにはいかない。
だが、悔しい時は、後でこっそり「あれはトライだった」と呟くものである。
そういうセリフを聞いたこともあるし、自分にも経験がある。
大学3年の時の成城大学戦がそれである。

大型フォワードを揃える成城大学との公式戦。
戦前の下馬評に反し、試合中組んだスクラムからも当たりあった感触からも、大きさの割に相手の手応えは弱く、「これはイケる」と闘志をかき立てられた。
そして1点差を追った後半の残り時間も少なくなった時間帯、味方が抜け出しパスが通った瞬間、逆転トライを確信したが、なんとレフリーがスローフォワードの判定。
「まさか」と愕然と崩れ折れた。

その時、レフリーは後ろから走って見ての判定だった。
相手の監督も試合後、「やられたと天を仰いだ」と語っていた。
試合はそのまま1点差で敗れた。
勝てた試合だったし、あれほどの悔しさはない。
あの時TMOがあったらと思わずに入られない。
多分一生「あれはトライだった」と言い続けるだろう。

まぁ対抗戦の下位チームの試合にTMOなど過剰であるとは思うが、W杯ともなれば国と国の威信もあるし、ファンの強い関心もある。
より正確な判定は必須だ。
それでも先週のオーストラリアvsスコットランド戦では、最後の逆転PGに繋がった判定が誤審だったと発表された。
スコットランドの選手からすれば、やり切れないかもしれない。

もっとも、「それも含めてラグビーなのかもしれない」と、あれから30年近く経ってみて思うことでもある。
負けたこと、それもあと一歩のところまで追い詰めていて負けたことで、試合終了後思わず涙がこぼれた。
学生時代、唯一負けて泣いた試合だった。

大きな試合はともかく、TMOの不要なレベルの試合では、「それも含めてラグビー」でいいのかもしれないと今では思うところである・・・
   

誤審だったと認められたオーストラリアvsスコッランド戦

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