2015年5月14日木曜日

商社は勝者

就職情報会社のダイヤモンド・ヒューマンリソースが、現在就職活動中の大学生9,216名に聞いて集計した就職人気企業ランキングを発表した。
           〓文系〓           〓理系〓
【男子】 1位(10)三井物産       ( 3)三菱商事
     2位( 3)伊藤忠商事      (12)三井物産
     3位( 2)三菱商事       ( 7)住友商事
     4位( 1)住友商事       ( 6)伊藤忠商事
     5位( 6)東京海上日動火災保険 ( 2)東芝

【女子】 1位( 2)三菱東京UFJ銀行  ( 2)サントリーグループ
     2位( 1)東京海上日動火災保険 ( 1)ロッテグループ
     3位( 7)みずほフィナンシャル ( 4)明治グループ
     4位( 3)三菱UFJ信託銀行  ( 6)森永乳業
     5位( 5)伊藤忠商事      ( 7)森永製菓

一瞬、男子は人気商社ランキングかと思って何度も見直してしまった。
理系も文系も見事に商社一色である。
それに対し、女子は文系は金融系、理系は食品系と別れている。
理系の食品系というのは、「研究職」の意味合いがあるのだろうか。
大学生の就職人気ランキングなんて、その時業績の良い企業に人気が集まるのが常であるが、それはそれで世相反映的なところがあると思っている。

それにしても、男の商社思考はどうなのかという気がする。
そりゃぁ商社は業績も良いし、カッコもいいし、かつての鉄鋼や証券・銀行などと比べると浮き沈みも少なく、ある程度の人気は常である。
されどここまで理系も文系もとなると、どうなんだと思えてならない。
女性も文系と理系とでは違いがあるものの、それぞれの人気業界は同じ傾向がある。

他に魅力的なものがないとも言えるのかもしれないが、我も我もと上辺のイメージに囚われ過ぎている気がしてならない。ここに公務員が入っていないのは、単に人気がないと取っていいのか、それとも調査対象外なのかわからないが、前者であればまだマシだが、後者であればもっと目を覆いたくなる事実が隠れているのかもしれない。

商社はかつては、物の仲介を司っていた。
外国のものを日本に、そして日本のものを外国に。
されど、直接の貿易が増えて「商社不要論」なんかが出たこともあったが、最近では「開発」や「金融」や「情報」などありとあらゆるものを手掛け、見事に生き残っている。
「勝ち組」、「負け組」という言葉があるが、「商社」は(現時点では)見事な「勝者」である。給料もたぶんけっこう高いだろう。
人気も当然である。

しかし、なのに女子の人気がないのはなぜなのかという疑問が湧く。
「商社=海外勤務」というイメージから、女性が海外赴任を嫌うというのは、一昔前ならいざ知らず、現在ではそうは思えない。
やっぱり、「男の職場」というイメージがあるのだろうか、と想像してみる。
そのあたりは、実に興味深い。

折からシャープが経営再建を巡って経済紙面を賑わしている。
シャープだって、かつては優良企業で業績もよく、就職人気企業だった時代もあるだろう。
商社だって、今はいいが、20年後は「経営再建で四苦八苦」なんて事態になっているかもしれない。その時になって、「こんなはずではなかった」とならなければといいのに思う。

今は至るところで、「女高男低」とでもいうべき状況が見られる。
我が家では奥様が絶対権力者であるし、多くのご家庭でもそうかもしれないが、そういう「権力」という意味ではなく、最近は「能力」という意味においてもそう感じられる。
スポーツの世界では、世界に伍して戦っているのは「なでしこ」だし、身近なところでは、娘の通う中学校の学力上位に至るまで、枚挙に暇がない。

そんな女子が、「商社」を選ばないところに、何か暗示するものはないだろうかと言ったら考え過ぎであろうか。ひょっとしたら、「本当に優秀な人は商社を希望していない」のかもしれない。あれこれと妄想は広がるが、なにぶん、これからも日本経済を支えていただかないといけないし、商社には引き続き勝者でいてほしいと思う気持ちは事実である。

就職活動中の学生のみなさんには、是非とも頑張っていただきたいと思うところである・・・


【本日の読書】
 






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