2013年9月16日月曜日

『のぼうの城』に学ぶリーダーシップ

台風到来とあって、家族での予定を入れなかったこの3連休。
暇さえあれば映画三昧の身ゆえ、何本かの映画を観たのだが、そのうちの一つが昨年公開された「のぼうの城」
戦国末期の北条氏配下の支城である忍(おし)城の物語。
豊臣方と対立した北条氏に味方し、3千の兵でもって2万の大軍と戦って城を守り抜いた成田長親を主人公とした物語である。

映画そのものも面白かったのであるが、観ている中で気がついたのはリーダーシップ。
まずは主人公の“のぼう”(『でくのぼう』からきている)こと成田長親のそれ。
リーダーシップは私が参加している社会人向け勉強会『寺子屋小山台』のテーマの一つでもあるから、よけいに目が行ったという事もある。


長親は、いわゆるリーダーというイメージに相応しい人物ではない。
日頃は畑で農民たちと交わり、武芸は苦手で、城主の従兄弟ゆえにみんなは臣下の礼はとるものの、内心困った人だと呆れている。むしろ、家臣の丹波守利英の方が武芸に秀で、将としての器に相応しい。
しかし、のぼうはリーダーとしての片鱗を随所で見せつける。

密かに豊臣側に通じた城主からは、「戦わずに開城せよ」との命を受けていたのにも関わらず、のぼうは石田側の使者の横柄な態度に思わず戦いを宣言する。
驚く家臣たちであるが、すぐに一致団結してその決定を支持する。
よく企業のトップなどが無謀な決定を下し、部下がそれに意見を言えないで失敗すると言う事が多々ある。ここでも2万の大軍を相手に、農民を入れても3千の兵力で戦うのは無謀だ。だが、違うのは部下が喜んで従った事だ。

元々開戦派だった者はともかく、冷静かつ慎重な丹波も従っている。
丹波自身も戦わずに開城する事に忸怩たる思いを抱いているのだが、お家と城と城主の命とを考え、気持ちを抑えていたのであるから、のぼうの決意がそれを解き放ったのだろう。リーダーには何よりも人の心を動かすモノが求められる。

ちなみにここで石田側の使者に対し、開戦の返事をするシーンはなかなか良い。
降伏するだろうと思っていた相手が、戦うと宣言し、驚く使者。
そしてその瞬間、のぼう方の武士たちは右側に置いていた刀を一斉に左側に移す。
武士は、座る時に右手が効き腕という前提で、刀を右側に置くのがマナーだったそうである。それを左側に置くと言う事は、「いつでも抜ける」という事を意味する。
胸の熱くなるシーンである。

また、この時丹波の態度は、組織の№2としてのフォロワーシップの観点からも優れている。 彼があくまでも反対したら、組織はまとまらなかったであろう。

丹波が農民たちに協力を求めに行った時、農民たちは反感を示したが、戦いがのぼうの意志とわかると一転して協力姿勢を見せる。この影響力に丹波自身も気がついていたのだろう。
「勇気を以て意見具申せよ」
「決定が下ったら従い、命令は実行せよ」
後藤田五訓にある二つを丹波は実行しているが、この姿勢が残りの部下に勇気を与えている。

そしてリーダーシップが問われるのは、なによりも不利な状況下。
水攻めで籠城を余儀なくされ、時間の経過とともに厭戦気分が広がる忍城内。
そこでのぼうの取った行動により、みんなの心に再び火がつく。
ラグビーでも点差の離れた後半、戦意が落ちる負け試合で最後まで戦意を保てるかは、キャプテンのリードに負うところが大きい。
そのまま総崩れとなるか、せめて次に繋がるトライを一本でも取れるか。
のぼうは見事にそれをやってのけている。


また、この時丹波の態度は、組織の№2としてのフォロワーシップの観点からも優れている。 彼があくまでも反対したら、組織はまとまらなかったであろう。

丹波が農民たちに協力を求めに行った時、農民たちは反感を示したが、戦いがのぼうの意志とわかると一転して協力姿勢を見せる。この影響力に丹波自身も気がついていたのだろう。
「勇気を以て意見具申せよ」
「決定が下ったら従い、命令は実行せよ」
後藤田五訓にある二つを丹波は実行しているが、この姿勢が残りの部下に勇気を与えている。

そしてリーダーシップが問われるのは、なによりも不利な状況下。
水攻めで籠城を余儀なくされ、時間の経過とともに厭戦気分が広がる忍城内。
そこでのぼうの取った行動により、みんなの心に再び火がつく。
ラグビーでも点差の離れた後半、戦意が落ちる負け試合で最後まで戦意を保てるかは、キャプテンのリードに負うところが大きい。
そのまま総崩れとなるか、せめて次に繋がるトライを一本でも取れるか。
のぼうは見事にそれをやってのけている。

リーダーとして、組織に影響力を及ぼすには、まず何より人柄だろう。
「この人に言われたら」と思ってもらえたら、他には何がいるだろう。
のぼうも権力を背景に威張るだけだったら、農民たちを動かす事はできなかっただろう。
そして意地というのか、誇りというのか、一本筋の入った信念。
これがないと指示もブレて一貫性がなくなる。近年の政治家によく見られるから、わかりやすい事である。
史実はともかく、エンターテイメントとして楽しみつつ、そんな事を考えていた。

「あいつはその点ではダメだ」と言うは易し。
自分はどうだろうかと考えてみると、どうだろう。
少し意識してみたい、と思うところである・・・



【先週の読書】

     
    
   

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