2013年7月20日土曜日

日本経済はアベノミクスで復活するのだろうか

明日はいよいよ参院選である。
ここまでのところ、安倍政権は安定しており、どうやら自民党は公明党とあわせて参院でも過半数を獲得しそうな感じである。別にそれはそれで不満はないし、ねじれ解消後のお手並み拝見という気分もあるから応援したいとさえ考えている。
だが、本当に大丈夫なんだろうかと言う気持ちも、正直言ってある。

すでにアベノミクスで日銀は大胆な金融緩和を実施。
物価を2年間で2%上げると息巻いている。
過去失われた20年と言われ、その元凶はデフレだと言われているから、2%の物価上昇でデフレ脱却し、日本経済大復活という狙いなのだろう。
だが、本当にそれが正しい処方箋なのだろうか。

私は経済理論に詳しいわけではないから、それに対して明確に語れる意見など持ち合わせていない。おそらく世の中の大半の人がそうだろうと思う。
しかし、何となく「それでホントに大丈夫なのか」と漠然と思う。

例えばデフレの正体だが、これは簡単で、一言で言えば内外価格差だ。
つまりそれまで国内で高く作っていたものを、海外で安く作れるようになった事によるものだ。私が1988年に大学を卒業し、卒業旅行で中国経由オーストラリアへ行った時、中国の物価が日本に比べて恐ろしく安かったのに驚いたものである。

コーラだけはそんなに差がなかったが、タクシーをチャーターして半日天安門広場を見学し、ランチして3,000円くらいだった(実はタクシーの運ちゃんに吹っかけられているのはわかっていたが、あまりにも安くて断る気になれなかったのだ)。

その頃、「製造」→「1次卸」→「2次卸」→「小売」と商品は流れ、最終消費者である我々が買っていたものを、今はユニクロなどが「製造→小売」となっている。
しかも「製造」は中国だから、「製造→1次卸→2次卸」の部分が国内からなくなってしまったのである。ここの部分を占めていた人たちが職を失い、それで価格が下がったのがデフレである。元に戻すならここの人たちを復活させないといけないのではないか、と単純に思うわけである。2%物価が上がっても、それが「小売価格」なら、潤うのはユニクロだけだ。

例えばスーパーの物価が2%上がるなら、スーパーの仕入価格も2%上がるとする。
するとスーパーに卸す農家や漁民や中小製造業者も2%収入が増える。
だが、それが給料に還元されないと、消費者はスーパーで上がった値段でモノを買えない。
収入が増えるまでは、相変わらず安いところを探すか、必要最低限に財布のひもを益々固く締める事になる。そうなるとモノは売れないのではないかと思うのである。

例えば100万円の商品を売る会社がある。
原価率40%、経費率50%、利益率10%だとする。
2%物価が上がると商品価格は102万円となる。
上がった2万円の内訳は、原価部分が8,000円、経費は10,000円、利益は2,000円だ。
このうち人件費は経費に含まれる。
経費の内10%が人件費だとすると、1,000円。
従業員が100人いたら、一人当たり10円。
理屈でいけば、売っている商品の価格が20,000円上がっても、給料は10円しか上がらない。

もちろん、1,000万円、1億円と売っている会社もあるから、それぞれであるが、イメージとして物価が上がるほどには給料は上がらないと言えると思う。
企業の論理として、給料を上げるのは最後だ。ギリギリまで据え置いて、上げてもやっていけると判断して初めて賃上げとなる。つまり物価の上昇が先行するわけだ。

我が家で言えば聖域である家計費は不動だから、物価の上昇→家計費値上げ→こずかい減少となる。これは実に恐ろしいシナリオだ。個人的にはデフレの方がマシではないかと思ってしまうが、これは間違っているのだろうか。デフレを脱却して、その先に豊かな生活が、果たして待っているのだろうか。

誰か、上の理屈のどこが間違いで、アベノミクスによってデフレを脱却し、日本経済大復活となる理屈を説明してくれないだろうか。
日曜日は、おっかなびっくり選挙に行く事にしようと思うのである・・・


【今週の読書】

   

 

 

 

 




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