2012年11月4日日曜日

マスコミが国を滅ぼす2

常々マスコミのあり方には疑問を抱いている。
マスコミは本来、事実を事実として報道していればそれでいいと思う。
その事実について、独自の見解を述べる必要はないと思うのだが、それは間違った考え方なのだろうか。そんな事を考えさせられるニュースが、また一つ目についた。

【田中文科相 答申否定は裁量権の逸脱】******************************************
不安が現実になった。田中真紀子文部科学相が大学設置・学校法人審議会の答申を覆し、来春開校予定の3大学の設置申請を不認可とした。ルールを無視した判断で、到底認められない。 田中文科相は不認可とした個々の具体的理由に言及せず、「大学が全国で約800校ある中、大学教育の質が低下している」「大半の(審議会)委員が大学(関係者)で、大学同士が互いに検討している」と述べた。
****************************************************************** 産経ニュース

 田中文科相が、大学の設置申請を不認可とした事を取り上げたニュースである

この場合、「田中文科相が来春開校予定の3大学の設置申請を不認可とした」というのが事実だ。だが、記事では「ルールを無視した判断で、到底認められない」となっている。
これは事実に加えられた“独自の意見”だ。

 さらに、
①「歴代文科相が任命した現委員による従来の大学設置基準に沿った答申を否定することは、裁量権の逸脱である」
②「いずれも短大や専門学校からの改組で、申請に不備はなかった」
③「しかも、副大臣ら政務三役にも事前の相談がなかった」
④「政治主導を通り越して、大臣の独断専行に近い」
と続くが、①と④も“独自の見解”である。
それに②は当たり前の事だし、③はそもそも大臣に権限のある事なら別に問題ないだろうし、相談していれば良かったとでも言うのだろうかと問い質したい。
 
 締めくくりは、「田中文科相は、不認可の決定を取り消すべきだ」となる。
また、「田中氏は11年前、小泉純一郎内閣の外相に就任したが、事務当局との無用な軋轢で混乱を招き、米国要人との会談を直前にキャンセルするなど非常識な言動が目立った。大臣としての適性に欠ける政治家を文科相に起用した野田佳彦首相の任命責任は極めて重い」とたたみ掛ける。

 もう慣れっこなのだが、マミコミには自分の“勝手な意見”の前に事実をもう少し詳しく説明して欲しいと思う。 たとえば、今回対象になったのは、秋田公立美術大(秋田市)、札幌保健医療大(札幌市)、岡崎女子大(愛知県岡崎市)の3つらしい。

そもそもこれらの大学が本当に必要なのか、という議論がまずあるべきだろう。
失礼ながら候補の3つは、他に行くところがない学生を救済する意味しかないのではないかと思えてならない。


 田中文科相は、それを議論した学校法人審議会は身内の慣れ合いで不適切と断じている。それを否定するなら、身内でないことを証明すればいいだけだが、事実だからそれはできない。そんな身内のなあなあな取り決めは、誰が考えても問題である。さらに本当に行きたいと思っている学生がどれだけいるのか、ニーズがどれだけあるのか、我々にはわからない。
また、税金は使われるのか、使われるとしたらどれくらいなのか。大学であれば国立も私学も税金での補助がなされていたと思うが、その点ではどうなのか。消費税を上げるという中で、どのくらいの税金が使われるのか、個人的には関心が非常に高い。

 そもそも1990年代には大学の数が500校だったらしい。それが規制緩和で今や800校。
一方で無駄を削除しろと大合唱しながら、正直言って「他に行くところのない学生」を受け入れるような大学を設置する意味はあるのだろうかと思う。
このように考えれば、田中文科相の決断を支持する人だって出てくるだろう。

 同じ事実でもどう伝えるかによって、受け手の感情は180度変わる。マスコミは確実に世論を操作できる。今の政治家がポピュリズムに走って3流というレッテルを貼られるのも、本人の資質だけの問題とも言いにくい。そこには“4流”マスコミの害悪も確実に存在する。

よけいな事はしなくていいから、マスコミには事実だけを報道してほしいと切に願うところである・・・


⇒ マスコミが国を滅ぼす1      
   
  

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