2025年8月3日日曜日

夏休み2025

 「夏休み」と言えばかつては甘美な響きがあった。長期間学校に行かなくても良い=勉強しなくて良いというのは、子供には嬉しい話だし、普段行けないところに行けるというのも嬉しい話である。私は中学生まで御代田にある従兄弟の家に遊びに行くのが何よりの楽しみであった。約2週間ほど滞在していたが、従兄弟と一緒に従兄弟の通う学校のプールに入れてもらったり(それが可能だったのである)、その友達と一緒に遊び回ったり、伯母さんにおにぎりを作ってもらって近所の飯玉神社に行って食べたり・・・

 高校生になって部活動が始まるとそれも出来なくなった(私としては無邪気に練習休んで行こうと思ったのだが、高校の部活動はそれが許されないとは知らなかったのである)。以来、御代田に2週間も行くことはなくなってしまったし、そもそも従兄弟とも何年も会わないという状態になってしまった。社会人になると、そもそも夏休みが短い。土日が休みになって、うまく休みを取れば連続9日間の休みが取れるが、それが精一杯。それなのに最初はそれすらダメだと言われたものである。

 振り返ってみれば、夏休みにいかにしてより多くの連続休暇を取るか、に腐心していた銀行員時代であった。転職した不動産会社は「お盆に一斉休暇」という私の最も嫌いなパターンだったので、翌年からみんなに働きかけてバラバラに取得する方式に変えた。それでも連続9日間は変わらず。取ろうと思えば2週間連続も取れたが、今度は立場がそれを許さず自主的に9日間に抑えて、社員のみんながより多くの休みを取れるように意識した。子供が大きくなると、休みを取ってもすることがないという事態になったのは想定外だったとも言える。夫婦2人でという考えはあったが、もうそういう状態ではなかった。

 少しは親孝行と思って、この時期万座温泉に行き(最初は草津温泉であった)、その後従兄弟に会いに行くという事を始めたのが数年前。従兄弟と年に一度会うことができるようにも心がけた。お互い家族を持って仕事も持ってとなると、毎日遊び回っていた子供の頃のようなわけには行かないが、それでも酒を飲みながらいろいろな話をするのもまた一興である。御代田へ通い始めて50年、それぞれの道を歩んでいるが、年に一度くらいは交流があってもいいのではないかと思う。

 今年はまた心境に変化が生じた。社会人になって初めて夏休みを分割して取ることにしたのである。前半は土日絡めて4日間休みを取り、万座温泉と佐久・御代田ツアーへ行ってきたが、今年は後半6日間がこれから控えている。今年は実家へ行って「出戻り」の準備をするのもあるが、1人で博物館へ行こうと思っている。国立科学博物館と群馬県立自然史博物館である。きっかけは『生命の大進化40億年史 古生代編 〜生命はいかに誕生し、多様化したのか』という本なのであるが、そこに出てきたカンブリア紀の生物の展示があるようなので興味を持ったのである。1人自由気ままにそういう活動をするのもいいだろうと思う。

 実は連続して取ろうと分割して取ろうと、夏休みそのものは「5営業日」であることには変わらない。昔は欧米は1ヶ月休みを取ると聞いて羨ましいと感じたが、今はそれよりも少なくとも質を充実させたいと思う。その上でトータル10営業日くらいの夏休みを取りたい気持ちはあるが、現場の社員はそんなに休める環境にはないので、ちょっと難しいかもしれない。ただ、5日間であったとしても、過ごし方によってはいろいろと楽しめるとは思う。博物館巡りも面白ければ京都や奈良の博物館も面白そうであるから行ってみるのもいいかもしれない。

 2027年にはオーストラリアでラグビーのワールドカップが開催される。今までは行くことは無理だろうと思っていたが、別居すればなんの気兼ねもなく行けるという事に気がついた。試合日程からすれば「夏休み」というわけには行かないが、ずらして取るということを考えてもいいかもしれない。いろいろと考えてみると楽しみは広がっていく。そしてその楽しみを実現していくには、何より仕事をしっかりやって、会社の業績を安定させないといけない。当たり前であるが、仕事という基盤がしっかりしていて、初めて休みという事が意識できるのである。

 そもそも仕事は楽しいからやっているというところもあるが、充実した休みを取るためにも一層力を入れる必要がある。これから家計費も別居すれば2家族分必要になるし、より多くの収入を得る必要がある。人生を充実させていくためにはお金も必要であり、しっかり稼がないといけない。会社の業績が良くなればそれも可能になってくる。ぼやきたい気持ちになる時もあるが、自分がリーダーシップを取って指導できる部分もあるだろうし、ぼやいている暇があったら、やれる事をやろうと思う。

 まだ、後半の夏休み前であるが、そう考えると仕事も夏休みも楽しみであると思うのである・・・


seth0sによるPixabayからの画像


【本日の読書】
 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 (講談社現代新書) - 小熊英二  リカバリー・カバヒコ - 青山 美智子