2026年1月28日水曜日

転職について

 私の勤める会社では、常時人材を募集しているが、先日は某社主催の転職フェアに出展した。採用目的の会社が多数出展し、転職希望者が出展企業を見て回っていいところがあれば転職しようというものである。需要と供給とをマッチングさせるサービスである。それぞれの思惑もあるのだろうが、実に多くの企業が出店し、転職希望者が来場しているものだと関心する。昔は終身雇用が当たり前であったが、今は転職も一般的になってきている。私自身、過去に2回転職しているが転職も場合によっては悪くないと思うので、今の風潮はwelcomeであると考えている。ただ、転職はエネルギーがいる事なので、できることなら避けたいと個人的には思う。

 今回は転職する方ではなく、受け入れる方であり、当然ながらより良い方を採用したいと思っての出展。ただ、応募してくる人は千差万別、こちらの希望通りの人ばかりではない。転職フェアで我が社のブースにきていただいた人と先日個別に面接をした。某大手企業を定年退職し、再雇用制度はあったものの、大幅に給料が下がるという理由で転職活動をされている方である。労働年齢も上がってきている昨今、60歳でリタイアというのも難しいだろう。私も同年代なのでよくわかる。ただ、その方のスキルは元いた企業内に特化したスキルで、年齢的にも採用は難しいという判断になった。

 私も自分の経験からして、大手企業を定年退職してから改めて再就職先を探すのはなかなか難しいと思う。何か特別なスキルや経験があれば別であるが、そうでないと採用する方にメリットがない。それまでもらっていた給料を念頭に大幅に下げられたからと言って、「やってられるか」と外に転地を求める気持ちはわかるが、「武器」がないとプライドには値がつかないのである。私の場合は2回ともやむなくの転職であったが、それでもまだ「期限」が残っていたのが多少なりとも良かったのだと思う。

 高年齢の場合は、マネジメントスキルや外部にもわかる実績がないと一般的な転職市場では厳しい見方しかされないだろう。私は50歳でのやむにやまれぬ転職であったが、そのあたりの自覚はしっかり持っていて、高望みすることはなく、最後は知人の社長が経営する会社に転がりこんだ。業績改善には多大な貢献をしたが、最終的にはその社長に裏切られ、会社を売却されて路頭に迷うことになった。そこで頼ったのは「知人」である。ビズリーチなど高年齢者には役に立たない。

 幸い、今の会社で評価されて、ありがたいことに年収もほぼ銀行員時代に戻っている。いままでやってきたことが開花している感があり、仕事の満足度も高い。ただ、定年を待って退職金をもらって「期限」を過ぎてから転職しようとしていたら、たぶん今の会社は難しかったと思う。大企業に勤めている人は、あまり天狗にならず身の丈を低めに見積もった方がいいと思う。誰でも自己評価は高くなるものであるが、周りはそれほど高くは見ていない。また、先の人は合間合間に「プライド」が垣間見えた。大企業に勤めていたのはわかるが、それを入社して振りかざされても困ると感じたのである。

 また、転職回数が気になる人もいる。転職が一般的になってきたとは言え、何度も転職をしている人はやはり採用に二の足を踏む。「すぐに転職してしまうのでは」と思うと、積極的に採用しにくい。特に転職して1年も経たないうちにまた転職となると、「なんで?」と思う。もちろん、「当初の説明と違う」などやむにやまれぬ事情もあるだろう。まず事情を聞いてから判断しようと思う。ただ、それに転職回数が加わると事情を聞くまでもないと思ってしまう。何度も転職をしているなら、そのあたりは十分確認する経験値が備わっているはずである。それはただ単に「辛抱が足りないだけ」ではないかと思えてしまう。

 我が社は新卒採用に加えて中途採用も行っているが、中途採用は必要かと言えば必要である。それは他社で基礎訓練を受けており、その必要がなく「明日から働ける」即戦力という意味が強いが、「他社での経験」も大きい。我が社とは違う環境で働いた経験というのは、我が社に新しい風をもたらすところがある。新卒で入ってずっと働いている「純粋培養」の社員はもちろんありがたいが、「外の空気」も交じり合って新しい文化になったりする。私自身も「外から来た人間」であるし、気が付けば社長以外の役員は全員「外から来た人間」である。それが変革をもたらしているのは事実である。

 振り返ってみれば転職は大事な人生戦略である。できればステップアップしていくのが望ましいが、私の場合は「余命を保つ」タイプである。定年を機に年収ダウンすることなく、銀行員時代に近い年収を維持できている。転職をしやすい時代になったからといって安易に「嫌だから」辞めるのではなく、「こうなりたい」という目的があってのものがいいだろう。それは受け入れる側の方からも望む事である。「逃げ出す転職」をすべて否定するわけではないが、「求める転職」の方がはるかに望ましいのである。

 転職をする理由は人それぞれであると思うが、相手もあることであり、「自分が高く売れるのか」は意識したいところ。そういう自分も今の会社が最高に評価してくれるところは間違いなく、他を考えずに今の会社に徹底的に貢献したいと考えている。それが自分を守る最高の方法でもあると思うのである・・・


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【本日の読書】

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