2015年7月5日日曜日

ビジネスマンの生活時間

 先日のこと、シチズンが行った「時間に関する意識調査」なるものを目にした。時の記念日(610日)にちなみ、毎年行っているらしい。今年の調査では、「『ビジネスマンの生活時間』35年の推移」と題したものが紹介されていた。
 
たとえばこんな具合である。
 (1日あたり)       2015年   1990年      1980
  睡眠時間       6時間9分  6時間26分   7時間1
  勤務時間       8時間26分  9時間13     8時間36
 (1週間の合計)
  家族との会話    3時間58分   6時間1分  7時間44分 
  外での飲食     2時間6分   7時間52分      7時間42
    子供と過ごす     5時間22分   5時間22      4時間43
TVを見る      6時間38分  11時間50分   13時間2分  
読書をする      1時間55分    7時間42分   8時間42

 こういう統計結果を見ていて、いろいろと原因・現象を想像してみるのは楽しいことである。なるほどと改めて思うことも多いし、よくわからないこともある。たとえば「睡眠時間」は漸減しているが、「勤務時間」は90年に長くなったものの、80年の水準に戻っている。両者に因果関係があるかどうかは、この調査だけではわからない。

 ちなみに、自分は「勤務時間」だと10時間となり、何だか働き者のような気がするが、実はこれは「会社にいる時間」だから、「実働時間」となるともっと短い。ここにある「勤務時間」とは、「実働時間」なのだろうか、中味に違いはあるのだろうかと思ってみたりする。

 「家族との会話」が減ったのは、「勤務時間」や「外での飲食」が減っていることからすると、よくわからない。「ゲームをする」「インターネットをする」という項目が増えていることと関係があるかもしれない。また、もしかしたら独身割合が増えたのかもしれないし、このあたりは他の統計と比較してみないとわからない。

 「外での飲食」が減ったのは、絶対的に経済的な事情だろう。個人的にもそれは顕著で、給料が減り続ける中で、自然と飲みに行く回数も減ってきた経緯がある。そう言えば若い頃は、上司に誘われて説教混じりの酒をよく飲みに行ったものである。それを評価する考え方もあるだろうが、あくまでもケースバイケースだろうし、個人的には得るものは少なかったと思う。そう考えれば、これはいい傾向だと思うが、「家族との会話」につながっていればもっと良かっただろう。

 「TVを見る」時間が半分になっているが、「インターネット・メール」が約6時間新登場しているから、シフトしているのだろう。「読書をする」は、「電子書籍を読む1時間26分」、「朝活(読書)37分」とを合わせてもひどい状況である。個人的には、読書時間は約10時間だから、ちょっと誇れるかもしれない。

 総じて項目別に減っているものが多い。では何が増えているかと言うと、「ゲームをする3時間11分」、「介護3時間42分」、「音楽を聴く2時間6分」などぐらいしかなく、トータル時間も違うから厳密な比較は困難である。もしかしたら、「ぼおっとしている」時間が増えているのかもしれない。

 個人的には、この10年で考えると、やはり「家族との会話」が一番減っている。ただ、それは子供が大きくなって一緒に風呂に入ったり、休みの日にまとわりついてきたりすることがなくなってきたことが大きい(子供だけでなく「妻も」であるところが悲しい・・・)。子供も(妻も)それぞれ好きなことをして過ごしていて、パパとは遊んでくれなくなってしまったのである。「同じ屋根の下にいる」時間は変わっていないだけに、これをどう考えたらいいのかは、難しいところだ。

 あと10年したら、同じ調査でどういう結果が出るのだろうか。個人的にはどうかと考えてみる。「睡眠時間」は現状5時間でもう削る余地はない。「通勤時間」(≒「読書時間」)も「勤務時間」も変わらないだろう。TVはもともと見ていないし、あれこれ考えると、増えたり減ったりする時間はあまりないような気がする。となると、10年後も同じような時間の過ごし方をしているのだろうか。

 それはそれで何だかいいような悪いようなである。「運動をする時間」「通勤途中ではなく、喫茶店で本を読む時間」「映画館で映画を観る時間」「妻と二人で食事に行く時間」が増えていたら問題なしと思うが、最後のものはかなりハードルの高い願望であるような気がする。普段あまり考えてもみなかったが、「自分の時間を何に使うか、使いたいか」をもう少し意識していってもいいかもしれない。

 10年後にどうなっているか、その時これを読み返してがっかりしないようにしたいと思うのである・・・


【今週の読書】
未来予測の超プロが教える本質を見極める勉強法 - 中原 圭介 その女アレックス (文春文庫) - ピエール・ルメートル, 橘明美 ドキュメント パナソニック人事抗争史 (講談社+α文庫) - 岩瀬達哉




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