2013年7月10日水曜日

航空自衛隊

 先週末、いつも参加している勉強会で空自の幹部の方にお話を伺う機会があった。私も伯父が航空自衛隊に勤務していたし、11月には入間基地に何度も航空ショーを見に行っているし、そんなわけでただ講演を聞くだけでなく、直接あれこれ質問できる機会はありがたかった。

 意外だったのは、航空自衛隊の主力戦闘機であるF-15の話。入間基地で見た時は、もの凄い爆音で驚いたものであるが、もう機体自体は30年以上前のものだし、日本の航空戦力は遅れているのだろうという認識だった。なにせ中学の頃、空軍のF-15、海軍のF―14と比較されていて、どっちが凄いと友達と言い合っていたものである。その海軍のF―14(愛称トムキャット)は既に引退しているのであるから、尚更である。

 ところが、機体は古くとも、中味の電子装備は格段にグレードアップされ、衛星と連動したシステムはいまだに世界最先端の“新鋭機”なのだという。しかも導入国は、米国以外ではイスラエルと日本とサウジ、そしてつい最近韓国が加わったものの、世界で5カ国だけだという。F-15に対抗し得る戦闘機はロシアのスホーイで、配備されているのがロシア、中国、インドで、以上8カ国が、「装備面でみた」世界の空軍強国らしい。

 イスラエルはアメリカが防衛に肩入れしている国だから、実践的な意味が大きいと思うが、実践とは程遠いサウジと日本には“無用の長物”と言えなくもない。導入国が少ないのも価格が高いからという理由もあるだろう。アメリカだってバカじゃない。「売っても安心」で、「買う事ができる国」という条件からすると、日本もサウジも「良いお客さん」なのだろう。

 自衛隊が必要かどうかと問われれば、迷わず「必要」と答えるだろう。だから憲法改正だって、96条改正には賛成できないが、第9条改正には賛成だし、「国防軍」という名前は別として、堂々と軍隊を保有するべきだと思う。だが、だからと言って武力で領土分捕り合戦をするべきだなんて、当然思わない。ただ備えとしては必要だろうと思うのである。

 共産党や社民党などの政治家は、何も考えず「軍隊反対」と唱えているが、災害救助面で果たす役割は疑問の余地はない。それに海外で紛争・災害となった場合、すばやく移動して国民保護に当たるなどの可能性を考えれば、適役だと思う。イラン・イラク戦争時に、イランから出国できなくなった日本人を脱出させる事ができず、トルコに助けてもらった例を挙げたってそれは明らかだ。

 それに例えば朝鮮半島で北が崩壊し、武装難民が日本海沿岸に押し寄せてくる事だって考えられなくはない。その時、田舎の駐在さんで対応できるかと言えば、無理に決まっている。当然、軍隊が出ていけば、それだけで静かに指示に従うかもしれない。
いわゆる"抑止力"というやつである。それは空の上にも言えるだろう。

 ただそれが高額な装備である必要性があるかどうかは、今の私の知識ではなんとも言えない。“抑止力”という意味で、効果が大きいなら仕方ないのかもしれないが、もっと価格の安いユーロファイターあたりで代用できそうな気はする。とは言え現実的には、アメリカが“好いカモ”を手放すとも思えないから、難しいのだろう。

 しかし、と思う。“抑止力”としてどうかなんて事よりも、やっぱり戦闘機はカッコいいと男の子としては思う。ブルーインパルスは、戦闘機とは言い難いところだが、F-15あたりはモロ戦闘機という匂いでいい。ただし、実際の空戦となると、もはや電子技術の世界で、人間には対応できない世界らしい。

 それはそれとして、もはや衰えた視力で自ら操縦桿を握ってみたいなどという夢を見ようとは思わないが、後部座席に座って飛ぶという夢なら持っていたいと思う。いつかそんな夢は実現できないだろうか。密かに夢見て、そしてチャンスを伺ってみたいと思うのである・・・


【本日の読書】

ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる - ジム・コリンズ, モートン・ハンセン, モートン・ハンセン共著, 牧野洋   



  

 

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