フィエスタ・リゾート&スパホテル |
朝の空気に触れ、白い砂浜の感触を楽しむ間もなく、「社長サン!」と随分古典的な呼び掛けに会う。「ジェッスキー、ドウ?、バナナボートイイヨ!」と現地のチャモロ人なのだろうか、真黒な顔のおじさんに話し掛けられる。
滞在中、ビーチを歩けばこの呼び掛け、街をあるけば「マッサージ」と何回声を掛けられただろう。残念ながら、我が家のニーズとは合わず、すべて辞退した。日本人の人の良さであろうか、何だか断るのも忍びないのであるが、わずか20分程度のアクティビティに家族4人6,000円の価値は見出せなかったので仕方ない。これが600円なら、笑って付き合っただろうと思うが、物価は総じて日本より高目の観光地価格なので、シビアに選別せざるを得なかったのである。
それはそれとして、ホテルの目の前に広がるビーチにはまず満足。翌日行ったマニャガハ島の透明度からは比べるべくもなかったが、それでも日本本土の水準からすれば遥かに透明。浜辺で遊ぶ子供たちを尻目に、ビーチチェアーに夫婦で寝そべり、青い空に眩い陽の光をヤシの葉が遮る下で、潮風に頬を撫でられながらまったりとまどろむ贅沢・・・
マニャガハ島 |
着いてすぐにがっかりさせられたのが遊泳ゾーン。せっかくの島を囲む海なのに、狭い一画を区切られ、そこで遊泳するようにと指導される。狭い区画にたくさんの人が泳ぐせいか、魚もそんなに見られない。やむなくボートシュノーケリングのオプションを申し込む。島の沖にモーターボートで移動し、サンゴの海でシュノーケリング。そこはさすがに文句なく、水深も3メートルくらいあって、目の前に広がる海の中の世界に子供たちも狂喜していた。
その遊泳区画であるが、よく見ればその他のところでも中国人らしき一群が泳いでいるのを発見。ならばとそちらに移動して、おっかなびっくり海に入る。そこは波も強く、かなり流されがちであるが、なんと珊瑚が広がっていて魚たちの種類も豊富でシュノーケリングにはむしろこっちの方が良い事が判明。
よくよく観察してみれば、「ライフセイバー不在」との看板は出ていたが、「遊泳禁止」とはなっていない。たぶん日本的な感覚で、好きなところで観光客に好きな事をさせて、万が一の事があった時の責任やら何やらを考えて、安全な囲いの中に「誘導」したのであろう。当然十分な情報提供はして欲しいが、基本的には自己責任だし、必要以上に安全性優先で知らぬうちに楽しみを奪われるのは堪ったものではない。子供連れだし無茶はいけないが、考える力を失うと自分で判断できない羊になってしまうだろう。
その他にも到着時には既にチェックインが済まされていたし、帰りの時間は朝少し早かったが、なんと頼みもしないモーニングコールをかけてきたりと、サービスとよけいなお世話が混合。予定よりも早く起こされて腹が立った事もあり、担当者にやんわり注意しておいたが、あまり至れり尽くせりというのも考えモノだ。JTBあたりは、何でもかんでもお膳立てし過ぎるきらいがある。高品質を支える「メイド・イン・ジャパン」の発想なのだろうが、海外旅行は多少「不便を楽しむ」くらいでちょうど良いと思うところである。
まぁそれはこちらの心掛けにもよるところがあるだろう。便利は便利で利用させていただいて、自分で判断する部分はしっかり残しておけばいいのだと思う。満足いくサイパンの旅であったが、来年はハワイへ行きたいと密かに思うのである・・・