今朝、ひょんなことから「ライザップイングリッシュ」なるものの広告を見た。ライザップと言えば、芸能人が見違えるような肉体改造をしたCMで有名なアレである。ダイエットの次は英語かと一瞬違和感を覚える。しかし、よくよく考えると、そうでもないとわかる。
HPを見てみると、「ダイエットと英会話は全く畑違いだから、本当に上達できるの?」
という疑問の声に対し、「ライザップが独自に開発した英会話メソッドで、本当にたったの2か月で英語力をグングン上げている方が続出しているんです。」と答えているが、それはともかくとして、両者にはしっかりとした共通点がある。
その共通点とは、「どちらも需要は高く、簡単にできるのに簡単にできない」というものである。ダイエットは、実は簡単である。要は「入り」よりも「出」が少ないから、贅肉が溜まるのであり、「出」を多くしてやればいいだけの事である。食べた以上に運動して燃焼すれば良いという極めて簡単なものである。ところが雨後の筍のように各種ダイエット方法が氾濫しているのは、「実行できないから」である。我が家でも埃をかぶっているものがある。
ダイエットなんて、やるかやらないかだ。極めて簡単な事である。それを「できない」というのは、単なる甘えであり、そういう人は刺激的なCMに惹かれてあれこれ手を出しても効果は見込めない。次から次へと新しいモノに手を出しても、効果なんてあがらない。そしてそんな自分自身の根性を振り返ることなく、また次の商品を求める。ダイエット業界はこういうカモがたくさんいるから成り立っている。
英語も似たようなところがある。とにかく需要はたくさんあるが、覚える側の心構えができていなければ、まぁ上達は見込めない。作家の落合信彦氏の自伝(『アメリカよアメリカよ』)を読んだ時、衝撃を受けた。極貧生活を送る中、とにかく日本を脱出しようと奮闘する様を知れば、みんな甘えているとわかる。なけなしのお金で買った辞書を破きながら単語を覚え、映画館に一日こもって同じ映画を何度も観てセリフを書きとめ、アメリカ人神父のもとに通ってタダで英会話の実地トレーニングをする。アメリカ留学を実現するまでの有様を知れば、「どうやればいいの?」なんて問いすら恥ずかしい。
『中卒の組立工NYの億万長者になる』でも、著者が必死になって24時間365日、英語を覚える様が書かれている。こちらも米軍基地に手紙を書いて英語を教えてくれる人を探している。どちらも英会話スクールなんかに通っていない。本気で学ぼうと思えば、今の時代恵まれすぎるほど手段は多様である。大事なのは、『本気度』だけであり、それがあれば、ライザップであってもなくても効果はある。なければライザップでも無理であろう。見ればいい値段をとっている。ライザップが悪いわけではないが、果たしてどのくらいの人が、このコストに見合うだけの成果を手に入れられるのだろうかと思わずにはいられない。
ともあれ、ダイエットでも英語でも、ライザップは手段を提供してくれているだけである。それを生かすも殺すもひとえに利用者の『本気度』にかかっている。あればライザップになど頼らなくてもできるし、頼れば「鬼に金棒」である。なければライザップと言えども効果はないだろう。門を叩く前に、まずは『本気度』を高める必要があるだろう。そのために落合信彦氏の自伝をぜひ一読することをおススメしたいと思う。
そういう自分も、最近英語からは遠ざかっている。運動からも然り。人に『本気度』を説ける有様ではない。以前は毎朝CNNの英語サイトに目を通していたし、「英語に触れる生活」を維持したいと思っていた。最近はすっかりご無沙汰であるが、また再開してみるのもいいかもしれないと思う。血眼になってやるまでの意思はないし、お金で解決するつもりもない。こちらは緩やかに、気楽に続けたいと思うことなのである・・・
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