先日の参院選に続き、いよいよ今週は都知事選である。そんな数日前、妻が突然、「誰に投票するの」と聞いてきた。「マック赤坂!」と答えようとして、いつになく真面目な妻の顔を見てやめた。「小池さんかなぁ」と正直に答えておいた。いつも選挙に行かない妻であるが、今回は行くらしい。なぜなのか、は知る由もない。
せっかく妻も真面目に投票するようだし、自分もよく他の候補者を見ておこうと考え、選挙公報を開いた。候補者は全部で20名。有力候補者3名だけがメディアで大々的に取り上げられているが、実は山口敏夫元労働大臣のような大物もいたりする。その他は、どうも「その他大勢」で括れてしまう感じは否めない。さすがに選挙公報の公約はみんな真面目だが、どこまで真剣に当選を考えているのかは疑問である。
公約を見てみると、「都知事の報酬ゼロあるいは半額」という人が4名いた。舛添さんの騒動の後だけに、これを意識しているのかもしれない。「あるのは国家観とiPhoneのみ」と主張する人もいれば、「(小中学生時代に)徴農制を実施」なんて変わったのもある。ヘイトスピーチ団体の代表は、「外国人向け生活保護の廃止」を訴えていてそれらしいが、その是非はともかく、そういう事実があることは興味深い。
政権放送で面白かったのは、3名。元NHK職員の立花孝志氏は、ひたすら「NHKをぶっ潰せ」と主張。よほど恨みでもあるのかと思うが、それをNHKで放送しているのだから、NHKの人たちも面白くなかろうと思ってみたりする。変わり種は、後藤輝樹氏だろう。ホームページは軍服姿でちょっと危ない雰囲気が漂うが、政見放送ではひたすらチン○などと放送禁止用語を連発。さすがに音声はカットされているため、その内容はまったくわからない。しかしYoutubeではノーカットで聞ける。さすがと思うが、その内容は小学生並みだ。
我らがマック赤坂氏は、「スマイル!」というにらめっこをやったら必勝かもしれないポーズ以外は真面目だ。170名を超える都議会議員(そんなにいるわけだ!)を全廃するとし、その分福祉に使うという。選挙ではすっかりおなじみだが、なんで当選する可能性も低いのに選挙に出るのかと疑問に思う。もっとも、ご本人は大真面目に当選すると思っているのかもしれないが・・・
調べてみると、立候補するには300万円の供託金が必要だそうである。これは総投票数の1/10以上の得票があれば戻ってくるらしいが、逆に言えばそれだけ取れないと没収になるわけで、それなりに票が読めれば問題ないが、そうでなければ費用負担もバカにならない。マック赤坂氏などは、ご自身で会社を経営しているようだから、「広告宣伝費」と考えるならそれも一つの考え方だと思うが、政見放送で放送禁止用語を連呼するために300万円を捨てる覚悟は並大抵ではないと思う。
やっぱり真面目に見渡しても、有力3候補+山口敏夫氏の中から選ぶのが順当な気がする。その有力3候補と言っても、反自民の期待を一身に背負う鳥越氏は、既にスキャンダル対応や突然の消費税減額発言に対し、橋下徹元大阪市長に当然と言えば当然の突っ込みを入れられて分が悪い。所詮は、「反自民」というだけで、底が浅いのが露呈しただけなのかもしれないが・・・
かくして、投票日は予定通りの候補に投票することになるかもしれない。妻に一緒に行こうと誘ってみたい気もするが、あっさり断られそうなのは泡沫候補が落選するのと同じくらい確実なので躊躇してしまう。いずれにせよ、国民の義務であり権利でもある投票を今回もきちんとしてきたいと思うのである・・・
【本日の読書】
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