昨年思い立って大学のラグビー部のシニアチームに参加。“諸先輩”と混じって、練習する事にした。ところが、急激に運動したためかアキレス腱が炎症を起こし、そしてそれがなかなか治らないまま半年以上。ついにまるまる一年の“休部”となってしまった。
捲土重来。
今回は前々日に軽く近所を走ってから、練習に臨む。何せまともに走るのは一年振り。ちょっと走っただけなのに、軽い筋肉痛が体に残る。それでも春の穏やかな日差しの下、人工芝のグラウンドに立つ。
集まったメンバーは12名。最高齢は72歳。参加者の中では、たった二人の40代メンバーの一人だった。かつては、「タックルができなくなったらラグビーはやらない」と考えていた。年寄りがよれよれのまま“ラグビーもどき”をやるなんて“みっともない”と考えていたのだ。
しかしだからと言って運動そのものを否定したわけではなく、ジョギング代わりだと思えばいいかもしれないと考え直した経緯がある。それに、もともと黙々と走る長距離走が大嫌いときている。ボールを持って、強弱つけて走る運動だと考えれば、むしろ好ましい。
やってみれば、昔取った何とかで、パスは思った通りのところに行くし、パント(ラグビーのキックだ)もイメージ通りに行く。イメージ通りでないのは走る事だけで、頭の中の自分が遥か先を走っている状況は変わらない。ボールを持って走って、パスして、蹴って。何だか楽しいのは、たぶん子供が遊ぶのと同じ感覚かもしれない。
途中でコンタクトプレーの真似ごとが入る。ボールを持って軽く相手にあたるのである。ラグビーの神髄は、このコンタクトプレーにある。「相手に(意図的に)あたる」という行為は、数あるスポーツの中でもそんなに多くない。相手を倒すのがルール上認められているのは、アメフト・ラグビー系だけではないかと思う。それだけにやはり重みのある行為である。
現役の頃は、シーズンオフになると、この「相手にあたる」という感覚がまず鈍ったものである。相手にあたった衝撃で、体にコンマ何秒かの空白ができる。ふだん十分練習していれば空白はできない。この「空白感」で、己の体の鈍り感がわかる。今は相当なものである。
続いて軽くスクラムの形をとる。本来の押し合うような事はしないが、お互い体重をかけるだけでもだいぶ違う。走るだけに比べると、あちこちの筋肉にかなり負荷がかかると思う。その効果があり過ぎたのか、ここで左足に違和感。現役の頃の感覚では続けてやってしまうのだが、去年の教訓もあってここで練習をストップする。急激にやるのはよくない。
練習後に部室の風呂に入って帰る。次回は一ヶ月後。まずは最後まで練習できるところからだろうか。少しずつ家でも走ろうと決意して帰宅。
「せっかくおしゃれな国立まで行ったのにケーキの一つも買わずに帰ってきたの?」
帰るなり妻に言われてしまったが、他の人にはおいしくもなんともない収穫があったのは事実。来月からまた汗を流す楽しみを味わいたいと思うのである・・・
【今週の読書】
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