2012年4月14日土曜日

地球儀から

入学祝いにおじいちゃんとおばあちゃんから地球儀をもらった息子。くるくる回して遊んでいる。地球儀もいろいろ種類があるらしいが、至ってシンプルなそれは、私も子供の頃持っていたのと同じようなタイプだ。だが同じようでいて、360度回転するところが面白い。

実は我が家の風呂には日本地図と世界地図が張ってある。お風呂専用の地図で、風呂に入りながら自然に覚えるかなと思って、娘が幼稚園くらいの時に買いこんできたものである。その成果だろう、我が家の子供たちは世界にどんな国があるかとか、どんな国旗かなどという事にけっこう詳しい。そんな下地も、もともとあった。

さてそうして地図を眺めていた息子が、ところどころで奇妙な表記に気がついた。タヒチ(フランス)、ニューカレドニア(フランス)などだ。さらには「この国では何語しゃべっているの?」なんて質問に、英語と並んでフランス語、スペイン語、ポルトガル語が多い事に、我が家の子供たちは気付いた。大人ならば、そんな理由は良くわかっているが、子供にしてみれば不思議だったようだ。

帝国主義だとか植民地などといっても、6年生の娘はともかく、1年生の息子には難しい。昔は、海の向こうに何があるのかと冒険に出て行って、発見した土地を自分のものにしちゃったんだよと、説明した。そう言えばグアムも似たようなものだ。第二次大戦後、当時の先進国の植民地はこぞって独立していった。だが、そうしなかった名残りが、今の憧れの観光地になっている。

何で独立しようとしなかったのか、詳しくはないので知らないが、南の島の人たちだから、独立などにはこだわりなく、のんびりしていたのかもしれない。ニューカレドニアには新婚旅行で行ったが、ゆったりと流れる時間の中、海も空も青く、静かに打ち寄せる波は白く、水はどこまでも透明で、こんなところでのんびり暮らしたいとつくづく思った。日常生活などはすべて忘れたし、政治がどうだとか経済がどうだとか、そんな気分にはならないのかもしれない。
それにかつては植民地と言えば、収奪の対象だったが、人権の時代の現代ではそんな事はできない。そうした居心地の良さもあるのかもしれない。

お風呂の地図は平面だが、地球儀は球面。ヨーロッパとアメリカが実は近いというのもよくわかる。さらにはエベレストには、「世界一高い山」という注記がしてあったり、良く見るとそんな知識も身に付きそうな感じである。チャップリンは映画「独裁者」で、地球儀の風船で遊ぶ独裁者をコミカルに描いて見せた。世界を手玉に取る独裁者を暗示するシーンだったが、「手玉に取る」事は望まぬが、「股にかける」ぐらいは良いかもしれない。くるくる回して遊びながら何かを感じてくれるなら、おじいちゃんとおばあちゃんも本望だろう。

そう言えば、私も子供の頃地球儀をもっていたが、あれはどうなったんだろう。ちょっと思い出したのである・・・

【本日の読書】
いじめと戦おう! - 玉聞 伸啓 サッチャー回顧録 上: ダウニング街の日々 - マーガレット サッチャー, 石塚 雅彦







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