先週妻が風邪でダウンした。
鬼の霍乱ってやつだが、一家の主婦がダウンすると家事が混乱する。
それはわかるのだが、意外な悪影響がある事も発見した。
長男が幼稚園を休まざるをえなかったのだ。
長男が通う幼稚園は親の送り迎えが義務付けられている。徒歩の子は幼稚園まで、バスの子はバス乗り場まで親が送迎しないといけないのだ。私が幼稚園の頃は、ほとんど一人で毎日テクテク歩いて通っていた。弟は甘えん坊で1年くらい母親に送り迎えしてもらっていたが、私はすぐに一人で通うようになっていた。やっぱり当時からしっかりしていたのだ。
ちなみに当時のルートを地図ソフトで測ってみたら674mだった。大人の足で8分くらいか。記憶の中では遥かな距離を歩いた気がしていたが、意外と近い。長男の通う幼稚園は我が家から790mだから、私の通った幼稚園はそれより近かったわけだが、記憶の中ではずっと遠くに感じる。不思議なものだ。
子供たちには早く自立してほしいと考えているので、当然幼稚園にも一人で通わせたい。しかし、昨今は信じ難いような事件も起こるし、おかしなやつがいるし、何かあるとすぐ責任を転嫁するモンスターペアレンツもいる。だからだろう、幼稚園が親の送迎を義務付けるのも自衛のためでやむをえない。園外までは責任持ちませんというわけだ。そうしたスタンスを責めるのは酷だ。
そういえば先日妻がある番組の話をしてくれた。幼い子供たちに留守番をさせるという企画だったようである。あらかじめお母さんが子供たちに、「電話には出てはいけません、チャイムが鳴っても出てはいけません、知らない人について行ってはいけません」と言って外出する。その上で番組のスタッフが子供たちに仕掛ける。
最初の電話こそ出なかったものの、2回目には応答し、聞かれるままに個人情報をべらべら喋ってしまう。工事を装ったスタッフをいとも簡単に家の中に上げてしまう。あげくに「お母さんが駅で待っている」と言われ、初対面のおばさんにホイホイついて行ってしまう。お母さんは見ていて頭を抱える、というものだったらしい。
子供は純真で疑うという事を知らない。昔何かで読んだが、相手の悪事を見破ったり警戒したりできるのは、自分にそういう心があるからだ、という事だ。疑う事を知らない純真な人間はそれゆえにすぐに騙されるという訳だ。確かにそうだろう。インフルエンザの予防接種と同じで、悪をもって悪を撃退するのである。無菌室で育つと雑菌にすぐにやられてしまう。
純真な子供たちがやがて雑菌の中で免疫を身につけていく。リンゴ農家の木村さんは農薬で「保護」する方法を否定して 「奇跡のリンゴ」を作り上げた。温室で大事に育てた子供が、外に出て逞しく生きていけるかというと不安がある。早くから外の厳しい環境で育てたいと、心密かに思う。園児が一人で通えたあの頃は、果たして良い時代だったのかどうなのか。どうなんだろう、何とも言えない気分の現代社会だと思うのである・・・
【本日の読書】
「ゴールドラッシュの超ビジネスモデル」野口悠紀雄
「コーヒーとサンドイッチの法則」竹内正浩
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