2021年3月31日水曜日

大学で何をすべきか

 1年間の宅浪生活を含む受験期間を終えて晴れて大学の門をくぐったのは、もう37年も前のことである。1日10時間、週65時間の勉強ノルマを自らに課しての一年間は精神的にもきつく、合格発表の掲示板に自分の受験番号を見つけた時は、喜びが爆発というよりただただ安堵感で満たされるのみであった。春の穏やかな日差しの日で、ようやく長い冬が終わった瞬間であった。

 我が娘はまもなく大学2年生。本人なりに頑張って今の大学に合格したものの、世はコロナで授業はすべてオンライン。当初、本人は喜んでいたが、それがまだまだ続くとなると複雑な心境のようである。基本的に娘には自分なりに好きに大学生活を送ってもらいたいと考えているが、親として唯一希望したいのは「4年間で卒業すること」。もちろん、本人に何か明確な目的があればこの限りではないが、基本は4年間で卒業してほしいと思う。

 そんな大学生活だが、親としてはどんなアドバイスがあるだろうかと考えてみる。我が身を振り返ってみれば、大学生活はラグビーをやり、授業にも熱心に出て、アルバイトでなんとか親にこずかいをもらわないで済ませ、とても充実した4年間であった。よく卒業してから、「もっと勉強しておけば良かった」という人がいるが、私にはそういう後悔はない(ただ、違う学部にすれば良かったという後悔はある)。

 大学生活は、ラグビーに勉強に充実した日々で、成果は上がらなかったものの合コンにも多数参加してそれなりに満足のいくものであった。娘に残りの3年間何をすべきかとアドバイスするとしても、男と女の違いもあって難しい。価値観の違いもある。私はどちらかと言えば知的好奇心が高い方で、それと親への感謝もあって授業には積極的に出席したが、娘にそれを求めるのも難しい気もする。

 ならば、友達作りとも思うが、コロナで大学に行けない(行かなくてもよい)日々では、なかなか難しいだろう。何かサークルにでも参加すればとも思うが、私のように(ラグビーを)やると決めているものがあればともかく、娘にはそういうものもなく、サークル選びも何をもとにというものもある。このまま友人もなく時が過ぎていくのは非常に惜しいと思うが、こればかりは本人の責任でもなく、どうにもやりようがない。それでもただ家にいるよりはと、バイトに行っているのが唯一外の世界との接点という状況である。

 小学生であればまだしも、女子大生となれば親が(それも父親が)何か助けてやれるというものがあるわけでもない。せいぜいが、「この機会に本を読んだら」という程度である。私であれば喜んで片っ端から読みまくるが、娘の読書に対する関心は小学生時代で終わっており、いろいろと提案しても馬耳東風になると思う。そう考えていくと、自分自身の経験から何かを語ってあげられそうなものはありそうもない。ならば一緒に考えてあげるものになるだろうかと漠然と思う。

 いずれ息子が大学に入る時がくるだろうが、その時息子に何とアドバイスするだろうかと考えてみても、答えは同じである。クラブ活動をやって友だちを作り、講義をたくさん受けて教養を深め、アルバイトをして働く練習をし、合コンに参加してとにかく女の子と接点を持てと。社会に出れば働くことが生活の中心となる。学生時代のメリットは働く必要がないこと。ならば働く以外のことをたくさん経験すべきだろう。

 結局、アドバイスと言ってもその程度のことしかできないと思う。生きるために稼ぐ必要がなく、自由に好きなことができる学生時代は誰もが過ぎた後で貴重な時間だったと気付くものだろう。まっただ中にいる当事者にはわかりにくいことかもしれないが、わかる者としてはできる限り伝えたいと思う。誰あろう我が子であるし、そこのところはしっかり伝える努力はしたいと思うのである・・・



【本日の読書】
 



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