自分で言うのもなんだが、私は比較的問題解決のためのアイディアを考えるのが得意な方なのではないかと思う。もちろん、世の中には優れたコンサルタントや問題解決人がいるから上を見ればきりがないが、あくまでも「身の回りの範囲内で」と言うことである。仕事上の問題ということもあるし、プライベートなこともある。最後は当事者の決断によるから必ずしも実際に問題が解決してきたわけではないが、少なくとも「人があまり思いつかない」解決策を提案したことは何度もある。つい最近も取引先との間で生じた問題で、「それは考えもしなかった」と相手に言わしめた提案をしたところである。
そうした解決策を思いつく方法はなんだろうかと考えてみる。整理できて人に説明できれば、一つのノウハウとして子供たちに教えたいと思う。一つの要因としては、その問題について考え続けることである。考えなければ思いつかないのだからそれは当然なのであるが、いつも頭の片隅に置いておいて、風呂に入った時など湯船に浸りながらツラツラと考えていると、ふと思い浮かんだりする。24時間考え続けるというわけではないが「何かないかな」と頭の中の見えない深い部分に問いを投げかけておくイメージだろうか。そうすると、ふわりと回答が浮かび上がるのである。
そうしたアイディアはふと思いつくことが多い。私は割と物事を理論的に考える方であるが、数学の公式を解いていくように、順番に筋道立てて考えていって最後に思いつくというのではなく、突然どこからともなく思いつくイメージである。そうしてそれを検証していくと、なぜか理屈の上でも筋が通ったいいアイディア(すなわち人に理論立てて説明しやすい)だったりすることが多い。元々の才能なんて言うわけではなく、知識の積み重ねということもあるかもしれない。それらを溜め込んでブレンドしていく中で、ふと飛び出てくるイメージであろうか。
また、「角度を変えた発想」というのもある。例えば銀行員時代、借金でどうにもならない社長に自己破産を勧めたことがある。その話の中で、「銀行からの借り入れはいいが、恩のある人からの借り入れは踏み倒したくない」と言われた。それに対して私は、「それなら踏み倒さなければいい」と回答した。相手はキョトンとしていたが、自己破産は法律上借金をチャラにしてくれるものである。「借金を返さなくていい」とするもので、「返してはいけない」ものではない。破産宣告を受けたあとでこっそり返せばいいのである。返すのがマズければ、借りた分だけ「お金を渡せばいい」のである。
「これはこういうもの」という固定観念は、何より発想を阻害する。不動産業界ではサブリースという制度がある。大家さんからサブリース会社が部屋を借り、それを第三者に貸すのである。サブリース会社は、満額家賃からリース料を引いて大家さんに賃料を払う。大家さんはその分収入が減るが、空室時も保証家賃が入ってくる。「空室保証」が一つのメリットであるが、別に空室保証がなくて家賃満額を払うサブリースでもいいのである。要は何か別に目的があって双方が合意すれば、サブリースという形を利用することもできる。これも「サブリースは空室保証する」という固定観念にとらわれていた同僚を驚かせた案である。
思うに、「何をしたいのか」という目的があって、「そのためにはどうなればいいのか」を考えていくと、答えに行き着きやすくなる。その時、固定観念にとらわれずに知識を総動員して頭の中の奥底に問い掛ければ、答えは出てきやすい。自分の知識が不足していたりする時は、周りの人に質問を投げかけてみるのも効果的だと思う。その時、聞いた話を鵜呑みにしないことも大事で、「それは無理だ」と言われたら、「なんで無理なのか」をとことん突き詰めていくことも効果的である。得てして、みんな固定観念にとらわれているからである。
いい解決策が思いつけば気分がいい。あとはそれを実現できる実行力だろうか。何か問題が起こっても、意外な方法で解決してしまったら楽しいだろう。そう考えると、問題が生じるのも悪くはない。今、目の前には厄介な仕事上の大問題が起こっている。これもそんな気持ちで乗り越えていきたいと思うのである・・・
Arek SochaによるPixabayからの画像 |
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