2018年12月2日日曜日

電車で席をゆずる時

先日のこと、通勤で帰宅する時、池袋から準急に乗り、たまたまのタイミングで座ることができた。その時、杖をついたいかにも足の悪そうな人が目に入り、咄嗟に一つ座席をずれて座れるように席を確保してあげた。気がつけば、どうやら私がずれなければ空いていたはずの席に座りそこねたおばちゃんが、口惜しそうに離れて行った。何気無い瞬間的な出来事である。

通勤時間が1時間20分の私は、出来れば座りたいが、椅子取り合戦のようなみっともない真似はしたくない。幸い、池袋からは準急で15分。それほどの時間でもないので、いつも「空いていれば座る」というスタンスであるが、もっと先へ行く人なのであろう、いつも座るために多くの人が列を作って並んでいる。先日は、たまたまのタイミングだったが、普段は座れないことの方が多いのである。

足の悪い人が無事隣に座った時、ふと思ったのであるが、もし席が空いていなかったらどうなっていただろうと。私であれば迷わず席をゆずるが、他の人はどうなのだろう。特に座ろうと思ってわざわざ電車を見送って並んで座った人たちである。そういう人たちも、お年寄りや体の不自由な人に席を譲らないといけないのだろうか。正論を言えば、「譲るべき」なのであろうが、果たしてそうするべきなのであろうか。

同じ疑問に直面したことがあるのを思い出したのだが、それは新幹線の自由席である。私は妻の実家に行った際、1人帰るときはいつも座席指定など取らずに新大阪から始発に並んで自由席に座って帰ってくる(まぁお正月など座席指定を取るのが大変なことが主な理由である)。その時、もしも途中でお年寄りが乗って来たら、席を譲らないといけないのだろうか、と。

新幹線でも池袋でも、座りたいと思う人は、わざわざ電車を見送って並んで席を確保するのである。にも関わらず、「フラリと乗って来た」お年寄りに席を譲らないといけないのであろうか。並んで確保した席が優先席なら論外であるが、普通の席であればそれで譲らされるのも理不尽な気がする。そういう方には、優先席の方に行って欲しいと正直言って思ってしまう。あるいは、座りたいなら並んだらどうかと。

もちろん、そういう方を並ばすのがいいとは思わない。そういう部分も含めての「優先対象者」だと思うからである。座りたいと思って並んで確保した席であっても、目の前にお年寄りや体の不自由な人に立たれたら、それはやっぱり譲らねばなるまい。もしかしたら、それを狙って敢えて若者の前に立つという人がいるかもしれないが、「座れなくても仕方ない」と思って乗ってくる人もいるだろうし、その判別はつけられない。運が悪かったと諦めるしかない。

「同じように並んで座るか優先席に行けば良い」と言っても、途中から乗ってくる場合もある。あくまでも始発駅だから並べるのであって、途中駅ではそれは難しい。そうなると、「わざわざ並んで座ったのに」という言い訳は通じない。さらに優先席の位置がわかればいいが、わからず乗り込んで来ることもある。やっぱり健常者には不利である。ただ、さすがに新幹線は許される気もする。せっかく座ったのに、席を譲って2時間立つのはやっぱり辛いし、座らないと辛い人は、やはり自助努力をすべきだろうと思うのである。

  いつもくだらないことを考えてしまうが、新幹線などの長距離列車は別として、都内の電車程度なら譲らなくてもいい言い訳はなさそうである。いつでも譲る覚悟で座るべしと思うのである・・・



【今週の読書】
 
 
 

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