ロイター通信は12日、ロシア軍がウクライナ東部ドネツク州の前線地帯の一部で、急激な進軍を見せたと報じた。数日間で10キロ・メートル以上前進したとしている。15日に予定される米露首脳会談でプーチン露政権は、ウクライナ軍に同州からの撤退を求めていると報じられており、交渉で主導権を握ろうと攻勢を強めているとみられる。
2025/08/13 10:10日本経済新聞
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米露首脳会談が予定され、そこでウクライナとの和平が協議されるという。ロシアとウクライナの戦争も気づけば3年5か月になろうとしている。日米間の太平洋戦争が3年9ヶ月であったことを考えると随分長く続いている。日米間では戦力差が圧倒的であり、日本は無条件降伏を選ぶしかなかったが、ウクライナは欧米の支援もあって善戦しているから、戦争終結の形としては今のところ和平合意しかないだろう。ただ、双方に思惑があるだろうから簡単にはいかないのかもしれない。 以前、電車の中でどこかの酔っ払いサラリーマンと喧嘩になった事がある。次の駅で下りて先制パンチをかましたところで周囲にいた人たちにあっという間に引き離された。一人二人ではなく、見知らぬ者同士の連携に私自身驚いてしまったが、こんな喧嘩みたいに紛争当事者を上回る仲裁者がいれば強引に和解させる事も可能だろうが、大国ロシアが相手ではそれも難しい。どうしても話し合いにならざるを得ないが、ウクライナも意地と思惑があるから簡単には妥協しないであろう。特にどちらかが優勢だと確たるやめる理由がない限り、仲を取り持つのは容易ではない。
裁判などは法律というルールがあるので勝ち負けははっきりとわかる。それでも判決ではなく途中で和解というのはよくあるケースで、と言うより判決を書くのは大変なので裁判官は和解を勧めたがるらしいが、その場合も双方にメリットがないと和解には至らない。私も2年前に裁判を経験し、内容的には敗訴に等しい和解となった。苦渋の決断の要因はそのまま続けて判決に行って、たとえ勝っても次の訴訟を起こされれば時間的、精神的苦痛が続くし、最終的にはどこかで負けると考えられたからである。
日本も日露戦争ではアメリカの仲裁を受けて「判定勝ち」したわけであるが、日露双方に戦争継続が困難な事情があったからこその和平成立だったわけで、いまだ体力のある段階での和平は難しいのであろう。一方、ガザではイスラエルの戦力がハマスを圧倒しているが、こちらも停戦の見通しは経たない。それはイスラエルが戦力的に優位であり、ハマス殲滅という目標が可能であると考えるからやめる理由がないのであろう。国際世論を気にしないイスラエルを止めるとしたら、イスラエル兵の犠牲が増えるとか、国内の反戦ムードの高まりとかがないと難しいのかもしれない。
ボクシングでは既定のラウンドが終われば判定となり、裁判では原告被告よりも強力な力を持つ裁判官がいるから無期限の争いとなることはない。だが、戦争はそうではない。英仏100年戦争という歴史もあるくらいである。もっともウクライナもガザの戦争もそう長くは続かないと思うが、どのような形で決着がつくのであろうか。ウクライナは欧米の支援があって戦争を継続できている。そうすると、見方を変えれば欧米はウクライナに戦争を継続させているわけであり、それによって双方に戦死者を増やし続けさせているとも言える。それは果たしてどうなのかと思う。
かと言って支援をやめればウクライナは屈辱の敗北を喫する事になる。ウクライナからの視点とロシアからの視点、人類全体からの視点とでいろいろ考えは変ってくる。人類全体が譲り合いの精神を持って共存できればいいと思うが、武器を突きつけ合って「抑止力」の形でしか平和を保てないというのはつくづく残念である。首脳の思惑はいろいろとあるのかもしれないが、命を懸けて戦場で戦うのは名もなき兵士だし、被害を受けるのは市民だし、早くどこかで手打ちになればいいと思う。
我が国も台湾で火の手が上がれば対岸の火事ではすまないだろうし、人類もそろそろ共存という事ができるようになってほしいと思う。自分もそうだが、これから我が子たちの世の中になっていく。生きて行く上でいろいろと苦難はあるだろうが、何より平和な世の中にあっての苦難であって欲しいと思う。平和共存という人類の叡智を駆使した世の中を実現できる日は到来するのであろうか。できれば自分の生きている間に、そんな世界に少しでも近づいて欲しいと思うのである・・・
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NoName_13によるPixabayからの画像 |
【本日の読書】




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