2009年11月11日水曜日

ドラマの行方

 我が家の奥様はここのところ日曜日のドラマ「JIN」にハマっている。現代の医師が江戸時代末期にタイムスリップし、そこで現代医療を駆使して活躍するというストーリーである。原作は村上もとかの漫画であるが、「全巻買い揃えたらいくらになるやろ」とぶつぶつ呟くほど我が家の奥様は気に入っているらしい。

 この番組に限らず最近は、「原作は漫画」というドラマが多い。何せ日本は世界屈指の漫画大国なだけに、ネタにはまったく困らないだろう。そしてストーリーもけっこうしっかりしていたりするから、ドラマとしても視聴率が稼げるのだろう。観る立場としては「面白ければよい」のだから問題はない。

 ところが一方では「脚本家が育たない」という懸念が生じているようである。安易に漫画のドラマ化が主流となると、これまでのような専門の脚本家(放送作家というのだろうか)の出番がなくなり、次の人材が育たなくなるというのだ。なるほど、そういう悪影響もあるのか。

 たぶん、スポンサーなどに新番組を売り込む時は、「脚本は売れっ子の○○先生で、主演はキムタクで・・・ヒット間違いなしです!」などとやっているのだろう。そんな時に、「脚本はこれがデビュー作の○○で・・・」となると、スポンサーから「大丈夫なのか?」などとなって、当然スポンサー社内でも同様のプレゼンがあるのだろうから、そこでも決裁に支障がでたりするのかもしれない。

 そうした冒険をするよりも手っ取り早く、「ただいま好評連載中の・・・」とやりたくなるのかもしれない。まあ漫画が売れて、それがドラマだ映画だとなれば漫画家の地位も収入も向上して、漫画家を目指す若者が増えて、そういう好循環からさらに漫画業界が活況を呈するのなら、それはそれで歓迎なのだろう。「あちらを立てれば」ではないが、自然淘汰されるのならば、それはそれで仕方ないのかもしれない。

 それにしても「JIN」の漫画は面白い(まだ始めの方しか読んでいないのだが・・・)。個人的に日本史は大好きで、「江戸を舞台にした」などというだけで、興味をそそられるから尚更だ。これから少しずつ読んで行くつもりだ。

 ところで、今から350年程前、江戸の町のおよそ6割を焼失し多数の犠牲者をだした明暦の大火があった。被害の大きさで歴史に残る大火事となっているが、この出来事をきっかけに、火に強い街づくりの一環として施されたのが銀杏の植樹。「水を噴く」といわれるほど火に強く燃えにくい樹木で、火除け地や防火帯を多数作る意図のもとに公園や主要道路などにも銀杏の植樹が盛んに行われたそうである。今では東京都のシンボルマークとなっているイチョウにも、江戸の世からのこんな歴史がある。
 
 そんな歴史の面白さが味わえるといいなと、ドラマには少し期待しているのである・・・


【本日の読書】
「金融大狂乱 リーマン・ブラザーズはなぜ暴走したのか」ローレンス・マクドナルド他
「反転 闇社会の守護神と呼ばれて」田中森一


     

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