不満な事もあるだろう 腹の立つ事もあるだろう
泣きたい事もあるだろう
これらをじっとこらえていくのが、男の修行である」
山本五十六
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先日の夕食時。一家団欒の一時のこと、ささいな事から妻と言い争いになった。
地震レベルでいけば、震度3という程度であろうか。
そんなに腹も立たなかったのであるが、ちょっと腹が立ったところもあって言い返した。
そうしたところ、驚いた事に妻が泣き出した。
口論になって悔し涙を滲ませた事はあってもおいおい泣く事などない妻が、である。
そんなに強く言ってなかったし、もっと腹を立てて言い争いになった事はあったのに、この程度で、しかも泣くとは、とこちらがびっくりした。
何かこちらの気付かないところで蓄積したものでもあったようである。
食卓を離れ別室に篭る妻。
あとに残されたのは私と子供たち。
子供たちは下を向いている。
子供も大きくなれば「またやってるよ」と醒めて放っておこうという態度にでもなるのであろう。
だが、まだ年端もいかぬとなれば、どうしていいかわからず戸惑うところであろう。
私も子供の頃、口論する両親を前におろおろした記憶がある。
子供には常日頃、「友達と喧嘩になったらそれは仕方ないけど、必ずあとで自分から謝るんだよ」と教えている手前、言った本人も言った事をやらないといけない。
そこで「ちょっとゴメンネって言ってくるね」と子供に言い残して妻のところへ言った。
そこで散々罵られたが、黙って聞き流して謝って席に戻った。
すると今度は長女が妻のいる部屋へ行った。
あとで聞いたら「いっしょに食べよう」と言いに行ったらしい。
長女は長女なりに考えての行動で、それも嬉しい驚きであった。
子供も成長は背が伸びているだけではないのである。
その後は不機嫌な妻に気を使いながら食事を終えた。
寝る時に長女に聞いたら、私たちの喧嘩を聞いていて泣きそうになったと言う。
改めて両親の間柄が子供に与える影響は大きいと感じた。
子供の精神的な(健全な)成長には両親の仲が良いかどうかは大きな影響力を持つものであると、つくづく思う。
謝らない妻に不満はあるものの、もはやそれはささやかな問題にもなりえない。
喧嘩になるのは互いに気持ちの問題もあって仕方がないが、子供の手前早めに修復する事が必要だろう。せめて「またやってらぁ」と知らん顔できるくらいの大人になるくらいまでは、修復役は自分の役目になりそうである。一家の大黒柱はつくづく大変だと思うのである・・・
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