4年に1度のラグビーワールドカップが終わった。今回も全48試合をテレビで観戦した。Jスポーツは本当にありがたいと思う。普段からテレビのチャンネル権がない私としては、毎朝1時間早く起きてみんながまだ寝静まっている中、1人楽しんだ。決勝戦も、また私が事実上の決勝戦だと思っていた準々決勝の南アフリカ対フランス戦も紙一重の差もない実力拮抗した試合で、手に汗握る好ゲームだった。それ以外のどの試合もため息が出るような一流の技術を観る事ができて大満足であった。
全48試合の中で、個人的にベストプレーだと思ったのは、南ア対フランス戦での南ア・コルビ選手のキックチャージだろうか。トライが決まった後、コンバージョンキックでフランスは追加点を狙うが、ルール上ではこのキックに対しチャージができる。しかし、実際には難しい(ゴールラインからキッカーまで全力疾走しても大抵は間に合わない)のと、ゲームが止まっている間に息を整えたかったりして黙って見ている選手が多い。それをコルビ選手は全力疾走してなんとチャージしてゴールを阻んでしまった。
例えば普通の試合でも、終了間際で逆転がかかった時などは全員でチャージに行くなんてことはあるが、試合の中盤ではあまりない。それを真面目にやって、しかも成功させてしまったのには驚いてしまった。最終的にこの試合は1点差で南アが勝ったが、このチャージがなければ逆にフランスが1点差で勝っていたので、まさに試合を分けるチャージだったわけである。誰にもできないようなスーパープレーもいいが、こういう誰もが本当はやらないといけないような地味なプレーこそ、世界中のラグビープレイヤーがお手本とすべきもので、さすがワールドカップ・プレーヤーだと思う。
その試合も決勝戦も1点差の死闘。どっちが勝ってもおかしくはなく、もう一度やってもどっちが勝つかわからない。運次第とも言えそうな内容はさすがに世界のトップレベルである。何気なく蹴ったボールの飛距離など、私が全力で蹴っても飛ばない距離だし、パスのスピード、距離、ハンドリングスキル等は見ていてほれぼれするもの。簡単にこなしているが、おそらくあのレベルにまでいくには、もともと持っている運動神経だけではなく、かなりの量のトレーニングの賜物でもあると思う。まだシニアでラグビーをやっているものとしては、1ミリでも近づけるようになりたいと思うものである。
全試合を録画していたが、試合として最後に観たのは、プール戦の最終戦であるトンガ対ルーマニア戦。どちらもすでに3敗していて予選敗退は確定しているが、「1勝」をかけて激突。国歌斉唱の時点で涙ぐむ選手もいて、勝利にかける意識が伝わってくる。ラグビーファンの関心は決勝トーナメントに向いていたと思うが、そんな地味な試合でもそれにかけている選手がいて、現地で応援するファンがいる。試合はトンガが勝ったが、ルーマニアの奮闘も素晴らしく、好ゲームであった。満足のいく48試合目であった。
4年前にワールドカップが日本に来て、「にわかファン」なるものが急増し、日本におけるワールドカップも盛り上がったが、今回は日本が予選で敗退してしまうと、終息感が漂っていた。どのスポーツでも自国が負けてしまうとファンの関心もしぼんでしまうものだとは思うが、たとえ自国以外であろうと、決勝戦に目を向ける人こそがコアなファンだと思う。さらに言えばどの試合であろうと目が行く人こそそうであろう。私もJスポーツをうっかりつけて、どこのチームかわからない試合でも、ついつい見入ってしまったりする。そういう人が少しずつ増えていくと、もっと放送も増えるのかもしれない。
季節はちょうど大学生の公式戦が佳境に入る頃。そろそろ上位校同士の戦いが始まるので、次はそちらに目が行く。対抗戦にリーグ戦、観ようと思えば関西のリーグ戦まで観られるが、ワールドカップのように片っ端から録画して毎朝観るというのもしんどい。学生が終わればトップリーグも始まるし、テレビとは言え、観戦は控えないと他のやりたいことに支障が出てしまう。こちらはほどほどにセーブして楽しみ、あとは自分でプレーする方に回したいと思う。次のワールドカップは2027年オーストラリア。こちらは現地に行きたいなぁと思っている。仕事とお金を今から意識して何とかしようかという思いが脳裏をよぎる。
39年ぶりにオーストラリアの地を踏むというのも悪くはないなと思うのである・・・
【本日の読書】
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