2010年2月18日木曜日

現代の百科事典

 「永遠の0」に感動し、著者百田尚樹の本第2弾として 「風の中のマリア」を読んだ。これはなんとオオスズメバチが主人公。ハチが主人公というと我々の世代は「みつばちマーヤ」を思い出してしまう。しかし、これはミツバチなんて可愛いものではない。なんといっても昆虫の食物連鎖の頂点に立つオオスズメバチである。自らの巣を「帝国」と称する無敵のハンターたちなのである。

 そして主人公のマリアは、ワーカーと呼ばれる働き蜂(名前からわかる通りすべてメス)。毎日外へ行って獲物を捕らえてくるのが仕事。獲物を捕らえると、あっという間に手足を切り取り胴体だけを団子にして巣に持ち帰り、妹たち(幼虫)に食べさせる。獲物の豊富な夏はよいが、少なくなる秋になると次の女王蜂に豊富な餌を与えるため、他の蜂の巣を襲って根こそぎ幼虫を奪って全滅させてしまったりする・・・

 そんな習性と面白いストーリーに、「ふ~む」と唸りながら一気に読んでしまった。読み終わると知識だけは一端の専門家になっていた。しかし、いかんせん本だけの知識。そこで利用したのが、GoogleとYoutube。画像や動画を検索すると、出てくる出てくる。

 中でも圧巻なのが日本ミツバチが自分たちの巣に侵入したオオスズメバチを集団で取り囲み、熱で殺してしまうシーン。オオスズメバチは46度以上になると死んでしまうが、日本ミツバチは48度まで耐えられる。この2度の差を利用して、自分たちよりはるかに大きな敵を殺すのである。Youtubeでそれを見る事ができた。
→ 「オオスズメバチvsニホンミツバチ」

 また、セイヨウミツバチの巣を襲うシーンも凄まじい。何万匹を相手にして数時間で根こそぎにしてしまうのである。Youtubeの動画 「30匹対30,000匹」でも「これは戦いではなく、虐殺である」と語られている。こういうのは映像で観るとよけいにリアリティを感じる。

 昔はこういう時は百科事典で調べたのだろうが、今は実に簡単にいろいろな関連知識、画像に映像が入手できる。あらためてネット社会の凄さを感じてしまう。ちなみに暇があると、ここのところオオスズメバチ関連の動画を漁っている。本も面白かったが、それを踏まえた映像もまた興味深い。今やちょっとしたオオスズメバチ博士を気取っているくらいだ。

 いろいろな事に興味津々の子供だったら、もっと凄いかもしれない。あちこちであっという間に「博士くん」が出てきそうである。いやいや子供に負けているわけにもいくまい。大人も負けじと楽しみながら博士くんになりたいと思うのである・・・

(それにしても百田尚樹は面白い、今3冊目に取り掛かっている・・・)


【本日の読書】
「良い印象の言葉力」宮本隆治
「BOX!」百田尚樹
           
   

0 件のコメント:

コメントを投稿