「お父さんに紙芝居読んでほしい人?」
という先生の問い掛けに元気良く、真っ先に答えた我が息子。
かくしてみんなの前で紙芝居を読むハメになってしまった。
何を隠そう、我が家では近所の図書館から紙芝居を借りてきては子供に読んでやっている。
まさか断るわけにもいかないし、ここは一つ腹を括るしかない。
全部で12枚の紙芝居。
最初のお父さんが前半6枚。
私が後半6枚の担当。
紙芝居は子供たちが大好きなアンパンマンである。
最初のお父さんはほとんど義務で読んでいる感じで、棒読みであった。無理もない。子供だけならまだしも、周りにはほとんど初対面に近い20数名のお父さんがずらりと視線を向けてきているのである。でも読み方にもあんまり抑揚がないと、ほら前の子は後を向いて自分のお父さんに手を振ったりしている。
そうして私の番になる。
家ではいろいろとアクションやアドリブをつけて読んでいる。
本当はいつも我が家でやっているようにやりたかった。
「みんな、この次どうなると思う?」とか、
「アンパンマンはこのままやられちゃうのかな?」とか、
「みんなでアンパンマンを応援しよう!」とか・・・
だが、如何せん、元が恥かしがり屋の私である。
あんまり力入れすぎて、「何あれ?」と思われるのもなぁ、と考えてしまう。
知り合いであればできるが、何分、知らない人ばかりだし・・・
そこで登場人物によってちょっと声音を変えたりとか、バイキンマンの得意のフレーズ、「はひふへほ~」だけは面白おかしくやったりとかに留めた。
その効果か、子供たちはみんなキラキラする目でこっちを向いていたし、後を向いて手を振る子もいなかった。まずまずの出来栄えだと自己採点。
幼稚園の世界ではお父さんに名前はない。
「○○ちゃんのお父さん」だし、○○ちゃんと言ってもわからなければ、何か特徴的な事で呼ばれる事になる。長女の幼稚園時代には、運動会で頑張りすぎてリレーでコケたお父さんがいた。そのお父さんはそれ以後ずっと「運動会でコケたおとうさん」と言われている。今回、あまり烈しくやると「紙芝居のお父さん」になってしまうと危惧していたのだが、それは避けられたのではないかと密かには思う。
それでも終わってみれば、せっかくの機会だし、本当はもっとちゃんといつものようにやりたかった、と思ったりする。ついついワンマンショーをやりたがる性格でもあって、今度は交代ではなく一人で全部やらせてほしいな、などと思ったりしているのである。
果たして次の機会はあるのだろうかと、ちょっと期待しながら思うのである・・・
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