2015年5月7日木曜日

鳥貴族

 家族で居酒屋『鳥貴族』に行った。
そもそもは、娘が「焼き鳥を食べたい」と言い出したことがきっかけであった。言われてみれば、近所に「焼き鳥屋」なるものがない。実家のある武蔵小山商店街なら、昔ながらの焼き鳥屋が何件かあるものの、我が街ではちょっと見かけない。それなら、とたまたま妻が行ったことがあったこともあって、『鳥貴族』に行くことにしたのである。

 実は、少し前にいつも観ている『カンブリア宮殿』で採りあげられたのを観ていて、「近々行ってみたい」と思っていたので、個人的には、渡りに船であった。それだけではなく、社長の著書『鳥貴族「280円均一」の経営哲学』が私の“読書予定リスト”に入っていることもある。

 さて、行ってみればいきなり親子4人の家族がテーブルについているのが目に入ってくる。最近は、居酒屋でもこうした子供連れは珍しくない。そういう我が家も子供連れである。厳しい環境下で、顧客獲得に血道を上げる飲食業界ゆえの努力だろうが、家族で行けるというのも実にいいと思う。GWともあって、店内はカップルや家族連れが中心で、さすがに親父族はいない。

 さっそくメニューを開くと、看板に偽りなしの全品280円。これは実にシンプルでいい。頼んだ数×280円なわけで、いくら請求されるのかがすぐにわかる。酔ったところに思いもかけない金額の請求書がくるということがない。ただし、モノによって「お得感」は様々だ。

 例えば酒類は、お得感がある。ビールは「サントリープレミアムモルツ」の中ジョッキ。「金麦」だと大ジョッキ。ハイボールはジョッキとまではいかないコップだが、まぁ値段からして程良い大きさ。妻は梅酒を頼んでいたが、あまり飲まない我が家からすると、量は適量でありがたい。
 焼き鳥は、テレビでも「当日すべて自店で手打ち」と謳っていたが、味も種類も大きさも不満はない。特に「もも肉」「むね肉」系は息子もお気に入りであった。ただし、「なんこつ」は貧素。妻に言わせると、「誰かの食べ残しかと思った」というくらい、わずかに串に引っ掛かっている程度だった。たぶん、コストとの兼ね合いなのだろうが、もう少し工夫があっても良かったかもしれない。



 
とろろ焼き
変わったところでは、「とろろ焼き」というのがあって、これは名前の通り「とろろ」を鉄板で焼いているのだが、意外と美味で、娘はお代わりをしていた。最後はとり釜飯にしたが、他にも唐揚げやしそ巻き天ぷら等美味しそうだったが、食べる量にも限度があって泣く泣く見送ったものもあった。

 料金も明朗で、ドリンク付と考えれば、リーズナブルな外食となった(小学生の息子はお代わり自由のキッズ・ドリンクを何杯飲んだのだろう)。食べ物にはうるさい我が家の妻と娘も満足気であった。毎年恒例のGWグルメツアーは、結局どこにもいかなかったが、まぁこれで代用ということだ。

 居酒屋ということで、周りには酒を飲む大人たち。「大人になったら一緒に飲もう」と息子に言うと、「初任給でパパと飲みに行く」とどこで仕入れたのかと思うような事を言ってくれる。考えてみれば、息子の夢はプロ野球選手。ならば「契約金だな」と息子には訂正しておいた。どんな形かはわからないが、いずれそんな日もくるだろう。

 その時飲みに行くのは、新宿や池袋といった都会よりも、地元の街がいい。「あの時約束してから早や10年・・・」などと感慨に浸りながら、我が家では劣勢な男チームでグラスを傾けるのだ。その時まで残っていたら、『鳥貴族』に行くのもいいかもしれない。そんな庶民的な、実にささやかな夢を持たせてくれた『鳥貴族』なのであった・・・

【本日の読書】
弁護士ドットコム 困っている人を救う僕たちの挑戦 - 元榮太一郎, 上阪徹 カラマーゾフの兄弟(上)(新潮文庫) - ドストエフスキー, 原 卓也




    

 

 

 

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