先日近所を歩いていると、大きなスーツケースが捨ててあるのを見つけた。その時はさして気にも留めていなかったのであるが、昨日再びそこを通ると、まだそこに置いてあった。よく見ると赤い張り紙がしてある。曰く、「これは粗大ゴミになるので、手続きに従って捨てて欲しい」とのことが、連絡先の区役所の電話番号と共に明記してあった。
おそらく、ではあるが、それはすぐ目の前にあるアパートの住人の誰かが捨てていったような気がする。そしてそれは引っ越しで、たぶん当の本人はもうそこにはいないのではないだろうか(あくまでも想像である)。となると、そのスーツケースを持ち帰り、300円の粗大ゴミ回収券を貼って決められた通りに捨て直す、などということは期待できないのではないか思う。
実は最近、そんな尻拭いを仕事でやった。我が社の賃貸アパートの自転車置き場に、気が付いたら2台の明らかに使われていない自転車が放置されていたのである。住人に確認したが、どうやら以前の入居者が退去の際、置いていったらしい。やむなく処理することにしたが、その際にちょっとした驚きがあった。
アパートの位置する横浜市に確認したところ、1台あたり500円で粗大ゴミとして捨てられることがわかった。だが、それは「個人」の場合であり、「法人」が捨てるとなると、手続きが変わる。「事業用のゴミ」扱いとなり、扱う業者も市に登録されている指定業者となり、その業者に連絡させられる(なんだかカルテルのような匂いがしないでもない)。
そして1台あたりの値段が倍近くとなり、さらに回収費用3,000円が必要とのこと。結果として、「個人」なら1,000円しかかからないのに、「法人」だと5,000円近くなる。捨てるのは同じ自転車なのに、である。まぁそこにはいろいろと言い訳があるのだろう。法人の事業ゴミはモノによっていろいろあるだろうし、家庭用とは処理の手間が違って大変だとかあるのだろう。たまたま自転車だから、こういう矛盾がでてしまうのだろう(ちなみに「個人」名で処理したのは言うまでもない・・・)。
そんなことを漠然と考えていると、ではあのスーツケースはどうなるのだろうと、気になった。ゴミの収集担当者はルール通りではないということで、回収していかない。当の本人はいないから捨て直すこともない。どちらからも放置されたスーツケースの行方はどうなるのだろうか。
ありうるシナリオとしては考えられるのは、以下のパターンだろうか。
① 見かねた御近所の誰かが、300円を払って代わりに捨てる。
② 見かねたゴミ収集担当者がやむなく持って行く。
③ 見かねた御近所の誰かが区役所に苦情申し立てをし、やむなく区が回収する。
それまでどのくらいの期間がかかるかわからないが、生物系のゴミと違って時間が経てば自然に帰ると言うものでもないので、誰かがやらなければずっとそのままという事になる。
とにもかくにも、悪いのは捨てていった本人。けしからんと思うものの、もしかしたら粗大ゴミを捨てる際の知識などなく、無邪気に捨てていったのかもしれないということもありうる。想像通り引っ越しの際に捨てて行ったとして、知っていれば手続き通りにしたのに、たとえば若い人で知らなかったということもありうるかもしれない。このような状態に気付かないから、やり直しようもない。そんなケースであれば、批難する気も減じるというものである。
さて、では自分はどうするか、と考えてみる。我が家のテリトリーであれば、週明けにでも区役所に電話してまずは善処を依頼するだろう。お役所らしい融通の利かぬ対応で、「ルールはルールなのでルール外の対応はできない」と言われるかもしれない(なにせそう答えても担当者は何の不利益も被らないわけである)。その際は、仕方ない、自腹を切って手続きをするだろう。毎日眺めるストレスの方が大きいからだ。
だが、件のスーツケースは我が家のテリトリーからは離れている。自腹を切ってまでしゃしゃり出ることもなかろうと思うところである。ただ、どうなるのかという興味はある。特に区役所の対応には興味がある。はたしてどんな対応をしてくれるのだろうか。週明けにでも、役所へ電話してみようかと思うのである・・・
【本日の読書】
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