現在、我が家の長女は大学を卒業して社会人になり、息子は大学在学中である。子どもは2人とも大学へ進学したわけであるが、それは私がそう仕向けたわけではない。私としては、もしも大学へ進学せずに他の選択肢を選ぶのであれば、それを認めるつもりではあった。特に2人と進学前に何か話をしたということもなく、いつの間にかそうなっていたということである(まぁ、妻は大学進学を望み、2人の尻を叩いたとは思う)。今さらではあるが、もしも子どもたちから大学へ進学すべきか否かと相談されていたら、おそらく次のように答えていたと思う。
将来何かやりたい事があって、それには大学へ行く必要はなく、故に大学へ行かないというのであればその選択を尊重する。しかし、特にやりたい事があるわけではないのであれば、それを見つけるためにも大学という環境はいいかもしれない。高校とは違った勉強ができるし、勉強だけではなく部活やアルバイトの経験などは後々役に立つかもしれない。それに社会に出るにあたり、就職しようとするのであれば、やはり大学卒業という学歴はあるのとないのとでは大違いだろう。特に大企業に勤めたいと思ったのであれば絶対に必要である。
私の場合、もう40年以上前になるが、やはり高卒で就職するよりは大学を出た方がいいと思ったし、弁護士になろうと思っていたので尚更大学へ行かないといけないと思ったこともあって(幸い親も進学させてくれたし)、大学へと進学した。許されるなら文学部へ行きたかったが、「食えないよ」という声に負けて現実的な法学部を選択したのである。結局、法律を勉強したら法律は自分に向いていないという事がわかり、一般企業への就職へと舵を切ったが、大学で学んだ事自体は良かったと思う。法律の基礎知識は、今でも訴訟や総務部門担当として役に立っている。
今、もう一度時間を戻して大学進学前の高校生に戻れたらどうするだろうか。多分、「食えない」なんて声は気にせず文学部を選択するだろう。就職なんて何とでもなると今ではわかっているからである。ただ、40年前と違って勉強したいのは純文学ではなく哲学の方である。それを学んでみたいと思うが、大学選びはかなり悩ましい。親にあまり金銭的な負担はかけたくなかったので、「自宅から通える国公立大学」という条件をつけると、東大か都立大になってしまう。頑張って筑波大学か。なかなか難儀する選択肢である。
個人的には大学は「就職のため」ではなく、「勉強のため」に選びたい。人生における貴重な4年間であり、そこで学べるのは実は最高に贅沢なひと時である。高校時代のラグビー部の同期13人のうち、大学へ進学したのは11人。2人は高校を卒業して就職せずに社会人になった。しかし今、同期の中で一番羽振がいいのはこの2人である。1人はWikipediaに名前が載っているし、1人は会社社長としてポルシェを乗り回している。もちろん、一歩間違えばの世界ではあるが、大学へ行かなくともなんとでもなる、否、むしろ就職するよりも稼げるという見本である。
確かに稼ぎでは2人に負けているが、やはり大学時代にラクビーをやって、しっかりと学んだ事は彼らにはない私の財産であり、何度人生をやり直す事ができたとしても、やはり「学ぶため」に大学へ進学するだろう。当時、周りはみんな「大学とは遊ぶところ」という感覚の者ばかりだったが、「変わり者」の私はしっかり授業に出席してしっかり学んだ。悔いがあるとすれば学部選びだけであり、誰かにメンターになってもらって、いろいろと教わりたかったと思う。
そんな思いもあり、息子にはいろいろと語ってあげたいと思う。聞く聞かないは本人の選択であってどうにもならないが、一つの選択肢、考え方は提示したいと思う。私立の大学へ通う我が息子。学費も大変だが、親父としては残りの学生時代を謳歌してもらうためにもしっかり稼ぎたいと思うのである・・・





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