私には昔から「NHK料金については地上波分しか払わない」という信念というか考えがあって、ずっとそれを貫いている。NHKの人から見たら誠にけしからん存在であると思う。しかしながら、納得のいかないものはたとえ1円でも払いたくないと思う性格ゆえに、どうしても払う気になれないのである。地上波の意義というものは理解できる。公共放送という意義も理解できるので、見ようと見まいとテレビがある以上、NHKの(地上波の)料金を払うのは納得できる。しかし、衛星放送についてはそうではない。
昨年、実家に戻ってきたが、我が父は衛星放送も含めて払っていた。ケーブルテレビに加入していたから、おそらく以前私の家に説明に来たのと同様のタイミングくらいで説明を受け、よく考えずに受け入れたのだと思う。それについては、新たに私の名義でケーブルテレビの契約をし直したので、NHKの衛星放送の料金支払いは止めてもらった。ケーブルテレビはケーブルテレビだけの料金を払うことにしたのである。そしてしばらくしてNHKから受信料支払いのハガキが送られてきた。
それはよくある口座振替かクレジットカード払いを選択できるようになっているもの。「地上契約」、「衛星契約」とそれぞれ「2か月払」「6か月払」「12か月払」の料金が表示されている。地上契約だけ払おうと目を凝らして見たが、ハガキには何を選択するのかを表示する欄がない。地上契約だけ、あるいは両方もそうだが、何回払いにするかも選択する欄がないのである。ただ、口座振替かクレジットカード払かを選択できるのみである。これをこのまま送ったらどう処理されるのであろうかと困惑した。
真っ先に思い浮かんだのは、父が12ヶ月払を選択していたため、自動的に12ヶ月払になるというもの。しかし、よく考えてみればこれはおかしい。同居しているとは言え、父と私とは別々の個人である。相続でもない限り私が父の契約を自動的に引き継ぐいわれはない。仮に私が衛星放送の料金も払おうとしたとしても、どの支払い方法を選択するのかは私の選択肢になるはずである。それすら表示されないと、いくら引き落としされるかわからないわけで、怖くて返送などできるものではない。
いったいこの書式を考えた人はどういう意図なのだろうかと不思議でならない。このハガキを真面目に書いて送り返したら、担当者の判断でどの契約(まぁ両方の契約にするのだろう)か、どの支払い間隔にするのかを勝手に選んで請求されることになるのだろう。考えてみると恐ろしい。それでも一応確認しようと電話で問い合わせすることにした。ところが、例によって電話はつながらない。この手の問い合わせは最近どこも似たようなもので、とにかくなかなかつながらない。結局、諦めてしまった。
この手の問い合わせに必要なのはともかく根気。電話を繋ぎっぱなしにして出るのを根気強く待つしかない。20分以上待たされたこともあったが、電話をかけたまま仕事をしてつながるのを待つのはよくやることである。しかし、今回はそこまでして電話して問い合わせする必要性を感じられず、早々に切り上げてしまった。「放っておこう」というのが今回の結論である。払わなくてもこちらに実害はない。ハガキの意図を説明されたとしてもその結論に変わりはない。
それにしても今衛星放送ではどんな番組を放送しているのだろうか。試しに番組表を見てみたが、地上波と大して変わり映えしない眠たくなるような番組ばかりである。これで料金を取ろうという意図は何であろうか。NHKが衛星放送で我々に対して提供する「地上波とは異なる価値」は何であろうか。そう問うてみてもおそらくしっかりとした答えは返ってこないだろう。いやしくもお金を取るわけである。「公共放送」ということだけをその拠り所とするのであれば、「地上波のみで十分でしょう」と言わざるを得ない。
提供する価値にしろ、意味不明のハガキにしろ、どこか世間というか資本主義の世の中とは別のところにNHKはいる。どうやら私が衛星放送の料金を払いたくなる日はまだまだ来ないだろうと思うのである・・・















