2026年2月19日木曜日

『四十年の真実』を読んで思う

  元日本航空の客室乗務員で、ノンフィクション作家である青山透子の『四十年の真実』を読んだ。日航123便の墜落事故の真相と言われると、リアルタイムでニュース見てその衝撃を経験した身としては興味をそそられる。しかし、最初にそれを知った『  書いてはいけない』に書かれていた内容はすぐには信じ難く、それで本書を読むに至ったわけである。この本によると、日航123便の墜落事故はあくまでも人為的な事故で、公表されているような後部圧力隔壁の破損などではないというもの。きっかけは自衛隊の無人標的機が日航123便の垂直尾翼に衝突したとされるが、その事実を自衛隊が隠蔽しようとした結果、墜落した(させられた)というものである。

 その隠蔽内容とは、最後に追尾していたファントムが123第便の第4エンジンを撃ち抜いて墜落させたというもの。さらに墜落現場は世間には不明と発表しつつ、いち早く現場に駆け付けた自衛隊員が撃墜の証拠を隠滅するため現場を焼き払ったとする。 いくら何でもそこまでは行き過ぎなように思えてならない。されど著者は単に推論を述べているのではなく、現場の一つ一つの状況から積み上げて結論を導いているわけで、そこには一笑に付すことのできないものがある。例えば、航空燃料は素人がイメージするのとは違って意外と燃焼性は低く、遺体が炭化するほど焼けることはないといった具合である(さらに現場では軍用燃料が検出されているという)。

 普通の航空事故であれば当然引き上げるべき相模湾に沈んでいる機体の一部(垂直尾翼)を引き上げないとか、ボイスレコーダーを公開しないというのもおかしいと主張する。確かにその主張はもっともであり、一読しただけの者には反論できかねるものがある。しかし、と思う。一歩下がると、これほどの衝撃的な事実を隠蔽しきれるものだろうかと思えてしまう。例えば第4エンジンを撃ち抜いて撃墜させたとするファントムであるが、自衛隊員がいくら命令されたとは言え、そこまでやるだろうかと思う。軍人だから命令は絶対であるとしても、躊躇なく(躊躇したとしても)民間航空機を撃墜できるものだろうか。

 民間航空機の撃墜と言えば、大韓航空機撃墜事件が脳裏に浮かぶが、あれは自国民ではないし、さらに旧ソ連という国の体質を考えればまだわからなくもない。しかし、自国民であり、さらに我が日本国内でのこととなればにわかには信じがたい。さらに直接手は下さなくとも現場にはもう一機のファントムがそれを目撃しており、その事実を知るパイロットが最低2人(ファントムが複座なら4人)がいるわけである。さらに命令がどこから発せられたのかはわからないが、命令系統に入っていた人物、命令の現場にいた人物など複数が関わっている。内心ではおかしいと思う者もいただろうし、それを外に漏らす者もいたのではないかと思えてならない。

 世の中にはいろいろと陰謀論めいたものが多い。アメリカ政府がUFOや宇宙人に関する事実を隠しているとか、ケネディ大統領の暗殺犯はオズワルドではないとか。そうした陰謀論の中にはまったくの事実無根なものもあるだろう。その真偽を見極めるのは難しいからいきおいどちらかを信じるしかない。この本に書かれていることに関して言えば、「総論反対各論賛成」的な感じがする。「信じられない」というよりも「信じたくない」という意識だろうか。では真相は何かと問われればわかりようもないが、根拠なく「何か違う感じがする」と言うしかない。秘密はそれに関わる人数が多くなるほど漏れやすくなるものであり、40年も隠しおおせるものではないように思う。

 もともと人に知られざる秘密には蜜の味がある。それが大ニュースとなるべき内容であればなおさらである。そうした秘密があることすら知らなければ何とも思わないが、「秘密がある」という事を知ってしまうと、その内容を知りたいという欲求が首をもたげてくる。結果的には知らなければ良かったということも、それは知ったがゆえに思う事であり、知らないうちはたとえ結果がどうであろうと、人は秘密を知りたいと思うものだろう。この本に書かれていることが事実なのかどうなのかはわからない。その疑惑を知らない時は平和だったが、知ってしまうと真実を希求する心は抑えがたい。

 一方で秘密はそれに関わる人が多くなればなるほど漏れるものだと思う。40年間も漏れないということは、この本に書かれているような事実はないという事なのかもしれない。例えば日本航空の社長などはこうした事実の引継ぎを受けているのだろうか。受けているとしたら、歴代社長の中には公表すべきと考える人もいたのではないかと思う。日本航空だけではなく、自衛隊の中でも然りである。もしも、事実であるならば、完璧に隠蔽されているわけであり、そちらの方に恐ろしさを感じてしまう。いずれにせよ、よけいなことを知ってしまったものである。

 疑惑の真相が明らかになる日はくるのだろうか。その日が来ることを待ちわびつつ、ケネディ暗殺事件の真相と日航123便の真相は、死ぬまでに知りたい真相として心に握りしめていたいと思うのである・・・


philm1310によるPixabayからの画像




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