2018年3月11日日曜日

シニアスポーツ


最近、毎週土曜日に某大学ラグビー部のOBチームに参加させてもらって練習に励んでいる。以前から母校ラグビー部のシニアチームに参加していた(『やっぱり走ろうと思う』『練習再開』)が、なにせ母校のチームは練習は月に1回とあって、だんだん物足りなくなってきたのである。そこでツテをたどって、今のチームに参加したという次第である。

メンバーは、60代から70代が大半。私のように50代は「若手」である。練習はただのジョギングと違って、走るスピードの強弱やパスやパント(ラグビーのキック)というバリュエーションがある。自分と敵との関係では瞬間の判断が求められる。運動不足の解消だけではない面白さがあって、参加する意味は大きい。それに最近高校時代の同期の友が練習に来るようになり、彼に「スクリューパス」を教えることで新たな学びも得られるようにもなった。

その同期とともに練習していた高校時代は、もう35年以上前になるが、パスは平パスと言われる普通のパスで、スクリューパスは高校生にはまだ早いという雰囲気であった。それが今では普通に広まっている。同期はもちろん投げたこともないから、教えてくれと頼まれたのである。こちらもなんとなく習得したので、基本をきちんと確認したいと思ったが、最近はYouTubeという便利なものがある。しっかりと基本をチェックできるのがありがたい。

さて、練習の方であるが、シニアの面々はやっぱり動きが緩慢。その昔、シニアの試合を観て「みっともない」と思ったのは間違いではなく、ラグビーの醍醐味である激しいコンタクトプレーなどはできようもない。みんな昔はそれなりにやっていたのだと思うが、やっぱり肉体も衰えて来ると動きも悪くなるのだろう。そう言えば、100歳以上での100メートル走の世界記録は4222だという。歩いてもそのくらいかと思えるが、「老化」とはそういうことだとすれば、みんなのプレーも無理はない。

しかし、それでもみんな試合をする。同世代同士なら条件は同じ。しかもパンツの色で年代分けをしてハンディをつける。50代は紺、60代は赤、70代は黄色、80代は紫であり、赤以上のプレーヤーにはハードタックル厳禁である。今度初めて試合に参加するのだが、紫パンツの人には「触ってもいけない」と冗談半分で注意されている。相手のパンツの色を見て、瞬時にタックルするかホールド(捕まえるか)するかを判断しないといけないというのは、結構難しいかもしれないと思っている。

そんな年になってまでなんで「みっともない」ラグビーをするのかと、若い頃は思っていたが、最近は練習に参加している大先輩たちの生き生きとした顔を見ていると、その理由もよくわかる。みんなラグビーが好きなのである。それも観るだけでは飽き足らない、自分でやるという魅力である。そうしたメンバーがあちこちから集まってきてチームを作っている。今度の試合は、母校(こちらは高校の方だ)OBチームの試合であるが、味方にも相手チームにも今のチームで一緒に練習しているメンバーが入っている。

テレビで観るような試合とは程遠いシニアの試合は、激しいプレーは見られないし、動きは緩慢だし、基本的なプレーもおぼつかなかったりして確かに「みっともない」。しかし、当人たちは真剣で、自分のできるプレーを精一杯こなしボールを追う。まだ50代の自分は、赤黄の先輩たちから比べたら動きは鋭く、プレー面では優位に立っている。適度な「手加減」を求められる立場である。だが、いずれ「手加減される」立場になるだろう。

その昔、テニスなどのスポーツは、生涯続けられていいなと思ったことがある。そういうスポーツを(ラグビーから遠ざかった時)始めようかと思ったこともある。自分も幾つになってもスポーツをしたいと思ったからである。だが、78歳の先輩が走っている今のチームを見ると、ラグビーも立派な「生涯スポーツ」である。多分この先自分もテニスやゴルフすらも無縁のままかもしれない。ゲートボールなど間違ってもやらないだろう。

シニアスポーツについてはいろいろな意見があるかもしれない。しかしやっぱりそれは「好きなもの」であることが、当然ながら一番である。「もう若くないからできない」というのは言い訳であって、やろうと思えばラグビーですらできてしまう。78歳の先輩は、「今度の試合に出たいから」と言って練習に出て来る。自分もそこまでできるかどうかはわからないが、できる限りは続けてみようかなと考えている。

みっともなくてもいいと思う。それは他人が決めることではなく、自分が決めること。さしづめ、今度の試合ではスタンドオフという初めてのポジションに挑戦させてもらえるし、しっかり練習して楽しみたいと思うのである・・・




【今週の読書】
 
   
   

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