会社では本業の財務に加え、人事も担当している。その主な業務は採用である。今の会社にきて驚いた事の1つは、新卒採用を実施しているという事である。それまでの感覚では、新卒採用などは上場企業かそれに類するような規模の企業でないとできないものであった。それが毎年複数の新卒採用を実施していると聞いて驚いたのである。とは言え、さすがに首都圏では難しく、地方の専門学校が中心であり、若干名の大卒が加わるといった感じである。それでも新卒採用は新卒採用である。
新卒は育てて稼働するまでに時間がかかるというデメリットがある。それを補うのが、即戦力たる中途採用であるが、エンジニア市場は人手不足が顕著であり、中途採用はなかなか思うようにいかないのが実情である。そんな採用の現場では、どうしたら思うように採用ができるのかを考えているが、やっぱり一番欲しいのは「会社の魅力」だろうと考えている。わずか社員100名程度の会社であるが、規模はそれほどハンディにならないと感じているが、それも「会社の魅力」次第だろうと思う。
「会社の魅力」と言ってもいろいろある。キーエンスのようにとにかく給料が高いというのも1つの魅力だし、上場企業というのもそうだろう(上場して採用がやりやすくなったと聞いた事がある)。純粋に仕事内容というのもあるだろうし、福利厚生もあるのかもしれない。今の時代はフルリモート可能というのも入るようである。特に中途採用だと、応募者はある程度経験を積んでわかっているから、よほど心に刺さるものがないと応募すらしてくれない。その点、新卒採用はみんな白紙なので、「働きやすい」、「人に優しい」といったキーワードでも魅力を感じてくれるが、中途では難しい。
考えてみれば、それは恋愛と同じなのかもしれない。人を惹きつけるものは何よりもその人のもっている「魅力」であろう。女性にモテたいと思うのであれば、自分を磨いて魅力を備えないといけない。もっとも、恋愛でもその魅力がかつて言われた「三高」のようなものかもしれないので、その魅力にもいろいろある。お金持ちの男が好きな女性もいれば、イケメンがいいという女性もいる。ただ、そういう「三高」のようなものを持ち合わせない男は、やはりそれに匹敵するような魅力を備えないといけない。
我が社は残念ながら、男の「三高」にあたるようなものはない。給料が特別高いわけではないし(業界平均は維持できているとは思う)、特別休みが多いわけでもない。大企業=金持ちのイケメンとするなら、到底太刀打ちはできない。ならばどうするか。男なら何かの夢に向けて努力している姿が眩しかったり、相手を大事にする姿勢だったりするのかもしれない。金持ちでもイケメンでもないならないで、それに代わる魅力を磨かないといけない。小さな会社であっても、キラリと光る技術や得意分野などがあったらいいのかもしれない。
私も過去に転職経験がある。いい会社に入りたいと思うが、外からだとわからない部分もあり、見極めるのは難しい。だが、いい会社に入るより、入った会社をいい会社にすれば一番間違いがない。私はそんな考えで「居心地のいい」会社にしようとあれこれ提案している。もちろん、社員からの提案も受け付けている。その成果として、独特の休暇+休暇奨励金制度も作っている。そんなところも会社の魅力作りの1つと考えているが、やはり技術の会社だから技術の魅力が欠かせないと考えている。
女性がお金持ちに惹かれるのはよくわかる。男も女もお金はできるだけたくさん欲しい。だが、「お金があればそれだけでいい」という女性に、それほどの魅力は感じない。それと同様、「給料がより高い会社がいい」という応募者にも魅力は感じない。もちろん、だから安月給で雇おうというわけではないが、給料+αのものを求める人に魅力を感じる。「働きを見てから給料を上げてくれ」という人であれば、個人的には大歓迎である。「大きな組織の小さな歯車よりも小さな組織の大きな歯車になれ」とは社員によく言っているが、受け入れ側も魅力ある職場作りをしたいところである。
お金があって、イケメンであれば選り取り見取りなのだろうが、そうではない。そういう恵まれた人生は送れなかったが、あれこれ奮闘努力して成果を上げるという喜びもある。財務担当という形で入社したが、思いもかけずに担うことになった「採用担当」。楽しみながら奮闘努力したいと思うのである・・・
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PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像 |
【本日の読書】


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