2026年10月18日日曜日

日経新聞のニュースに思う

「月収140万円」美容医療に流れる医師 求人6倍、診療分野の偏り拍車
2026年10月11日
美容医療の拡大のひずみが大きくなってきた。都市部を中心に求人はコロナ禍以前の6倍超に急増し、厚待遇もあって若手や地方の人材の転職が相次ぐ。診療科や地域による医師の偏りが加速しかねず、規制を求める声も上がる。
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 先週の日経新聞に興味深い記事が載っていた。美容医療の業界は現在、人材は引く手あまたで、医師や看護師のほか事務職を含め26年4月時点で2,627件と、19年4月の421件から6.2倍に増えたという。給与も高く、医師の正規雇用だと平均月給は26年4月時点で1,411,523円。これは美容医療以外の987,736円と比べると40万円以上の差があるという。単純に給与だけ見れば、普通の医師より美容医療の医師の方がはるかにいいことになる。記事では、診療科、地域による医師の偏りを懸念している。

 人は誰でもお金は欲しいだろう。生きていくためにも、家族を養うためにも、より良い人生を送るためにも。だから同じ働くなら、より稼ぎがいい方と考えるのは当然である。医療業界もその例外ではない。苦労して(お金をかけて)医師になったのであれば、より高い報酬を求めるのは当然である。しかし、だからと言って医師がみんな美容医療の方に流れたら、病気になった時に治してくれる医師が不足し、助かるものも助からないという事態になったら誰もが困る。

 しかし、だから「美容医療の分野に行くのはけしからん」というのもまた筋が違う話。どの分野に行こうが、それは本人の自由意志の問題であり、他人がとやかくいうことではない。分野の話では、産婦人科の分野で「分娩を扱う医師や地方の現場における深刻な不足・偏在」という点において、長年にわたり大きな社会問題となっているのも似たような問題である。「より報酬が高い方」、「より楽な方」に流れるのは人の常である。それを誰が批判できようか。

 それに報酬が高いという事は、それだけ世の中に求められているということに他ならない。これもまた世の常。健康保険に縛られた通常の医療と比べ、美容医療はそれだけ収益力も高いのだろう。それはすなわち、「世の中の人に求められている」という事であり、お金を払う人がいるという事である。そういう世の中に求められている分野に行くという事は、褒められこそすれ批判されることではない。それにしても、美容医療のお世話になろうなどとこれまで考えたこともない私からすると、驚きの事実でもある。

 利用するのは女性ばかりだと、なんとなくイメージしていたが、実は男も多いらしい。記事によると、マスクをしていると顔が怒っているように見えると指摘された男性が、しわの改善効果を謳ったボトックス注射を3ヶ月に1回通って受けていると紹介されていた。私だったら開き直るところだが、真面目な人はどうすれば怒っているように見えないだろうかと考えて門を叩いたのだろう。それがいいか悪いかは、本人が判断することであって、周りがとやかく言う事ではない。単に美容効果だけではないのだろう。

 「脱毛」などもこの分野に入るのだろう。男でも最近はすね毛がみっともないと言われているようである。私も夏場はいつも短いズボンを履いているが、それも実は女性の顰蹙を買っているのかもしれない。ただ、私の場合、だからと言って長いズボンにするとか、ましてやすね毛の処理をするなどという発想は間違ってもしない。それで嫌われたとしても、それは仕方ないと考えてしまう。そもそも女性はすね毛だけで男の良し悪しを決める事はないだろうという気持ちがある。すね毛が気持ち悪いと言われる人は、そもそも魅力がないのだと思う。

 考えてみれば、美容医療どころか、医者そのものにお世話になりたくはない。誰でもそうであると思うが、一生世話にならなくてもいいならそれに越した事はない。それでも病気になるし、怪我もするのでやむなく行くところであるが、だからこそ「ありがたい存在」でもある。世間一般のサラリーマンに比べて高い報酬をもらうのも当然だと思う。私のひねくれ者の叔父は医者と弁護士が大っ嫌いだと公言していたが(人の弱みにつけ込んで高い報酬を得ているというのがその理由)、だったら一生世話になるなと心の中で思っている。

 こういう記事を読むと、それでも通常の医療の世界に進む医師の方はありがたい存在だし、「分娩を扱う医師」にはよけい尊敬の念が湧く。みんながみんな美容医療の世界に進むわけではないし、あらためて通常医療の世界の医師の人はリスペクトしたいと思うのである・・・




【今週の読書】
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