先週末、母親を連れて伊香保温泉へ行ってきた。「腰が痛い」と常々もらしている母親は、温泉に入ると痛みが和らぐらしく、暇を見ては近場の温泉に連れ出しているのである。伊香保温泉は、東京からだと関越自動車道で2時間ほど。気楽にちょっと「温泉に入りに行く」ことができる。春のお彼岸の三連休ではあるが、世の中はコロナ騒動でみんな出かけることはないだろうと、得意の逆張り発想で予約を取った次第である。ガラガラの温泉宿なら、かえって通常以上のサービスをしてもらえるかもしれないという期待があったのも事実である。
森秋旅館 |
伊香保温泉は銀行員時代の店内旅行で何度か来た記憶があるが、宿泊したのか通過したのかは覚えていない。ただ、有名な石段街を散策した時、「ああ、来たことあるな」と改めて思った次第である。暇に任せて周辺をプラプラ歩いてみたが、石段街を外れると潰れた旅館や店舗がそのまま放置されていて「寂れ感」はどうしようもなく強い。そんな中でも射的の店舗が何軒かお客さんが入っていて元気そうだった。今の若者にはかえってレトロ感があってウケるのかもしれない。あとは老舗らしき温泉饅頭のお店である。
石段街 |
ストリップの看板を見かけたが、今も営業しているのだろうか。その昔は社員旅行なんかで賑わったのだろうと思う。浴衣を着た大勢のサラリーマンがワイワイ言いながら行き交ったのだろう。今の時代だと、ストリップなどに大手を振って行こうものなら女性社員からセクハラ扱いされるかもしれない。自分が店内旅行に参加したのはもう30年くらい前になるが、とてつもなく嫌だったのを思い出す。今の時代には確実に受け入れられないだろうし、それゆえに温泉街も寂れていくのかもしれない。
こうした温泉街がかつてのような輝きを取り戻す方法はあるのだろうか。団体客はもう復活はしないだろうが、外国人客と我々のような個人客だろう。外国人なら温泉街の雰囲気を売り物にするのもいいかもしれないが、日本人なら「観光地」というよりも「身近な温泉」というあり方がいいように思う。ただ、旅館のお湯はちょっと温めであり、硫黄臭もそれほどではない。濁っているところは温泉ぽかったが、硫黄臭がそれほどではなかったのがちょっと残念であった。
それにしても、と思う。旅館独自のサービスというものを改めて考えてみた。到着してフロントで受付をする。部屋に案内してもらって一通りの説明を受ける。ここまではホテルでも同じ。食堂が一杯だったらしく、食事は部屋食であった。担当者がついてくれて料理の説明とともに配膳してくれる。ホテルで言えばルームサービスだろうが、部屋で食べる和食もなかなか風情がある。そして布団を敷きに来てくれる。外国人であれば興味津々かもしれない。注ぎ込まれる湯の音を聞きながら、露天風呂にゆっくり浸かるのもなかなかの風情である。ホテルもいいけど、旅館もやっぱり風情がある。
伊香保神社 |
あとどのくらい母を温泉に連れていけるかはわからないが、このペースで頑張って連れて行きたいと思うのである・・・
【本日の読書】
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