フレデリック・フォーサイスといえば、高校生の頃初めて「ジャッカルの日」を読んで虜になった作家である。
それまでこんなに面白いストーリーには出会った事がなかったからだ。
読み始めたはいいが止める事ができない。
朝起きてすぐ読む。
朝食はそこそこにかき込んで、学校へ行って着くが早いか読み始め、もちろん授業中も隠れて読んだ。
500ページもの大作だが読み終わってしばし脱力した。
その後、第2作「オデッサ・ファイル」を読んで衝撃のラストに圧倒された。
第3作「戦争の犬たち」も間髪入れずに購入した。
とにかくそれまでのスリラーものがまったく陳腐化したのだ。
以来フォーサイスの作品は欠かさず読んでいる。
最初の衝撃ほどのものはなかったが、その後に続いた「悪魔の選択」以後の作品も十分なエンターテイメントだった。
そして久しぶりに読んだのがこれ。
これはなかなかの作品だ。
初期の頃に漂っていた緊迫感が全編に溢れ、思わず読み耽ってしまった。
なんといってもストーリーの面白さに尽きるのだが、綿密な取材に基づいているからなのだろう、圧倒的なリアリティが凄いのだ。
この一冊を読むとアラブテロ一派の思考回路が理解できるのだ。
へたな新聞などまったく読む必要がない。
ニュースも教科書も必要ない。
現代史の問題を考えたければこの本があればいい。
ハリウッド映画の陳腐なハッピーエンドものとは違うイギリス風味のストーリー。
フォーサイスを読まずして何を読むのか、知らない人は人生を確実に損していると思わざるを得ないのである・・・
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