【原文】
入公門、鞠躬如也。如不容。立不中門。行不履閾。過位、色勃如也、足躩如也。其言似不足者。攝齊升堂、鞠躬如也。屛氣似不息者。出降一等、逞顏色、怡怡如也。沒階、趨進翼如也。復其位、踧踖如也。
【読み下し】
公門に入るに、鞠躬如たり。容れられざるが如し。立つに門に中せず。行くに閾を履まず。位を過ぐるに、色勃如たり、足躩如たり。其の言は足らざる者に似たり。斉を摂げて堂に升るに、鞠躬如たり。気を屏めて息せざる者に似たり。出でて一等を降れば、顔色を逞ちて、怡怡如たり。階を没くせば、趨り進むこと翼如たり。其の位に復れば、踧踖如たり。
【訳】
宮廷の門をおはいりになる時には、小腰をかがめ、身をちぢめて、あたかも狭くて通れないところを通りぬけるかのような様子になられる。門の中央に立ちどまったり、敷居を踏んだりは決してなされない。門内の玉座の前を通られる時には、君いまさずとも、顔色をひきしめ、足をまげて進まれる。そして堂にいたるまでは、みだりに物をいわれない。堂に上る時には、両手をもって衣の裾をかかげ、小腰をかがめ、息を殺していられるかのように見える。君前を退いて階段を一段下ると、ほっとしたように顔色をやわらげて、にこやかになられる。階段をおりきって小走りなさる時には両袖を翼のようにお張りになる。そしてご自分の席におもどりになると、うやうやしくひかえておられる。
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日本人は割と礼儀を重んじるところがあると思う。例えば、神社に行くと、門前で一礼している人をよく見かける。私は神前を大事にしたいと思うが、どうしても人目を気にしてしまうところがある。素直にできる人はすごいなと思うところである。また、ラグビーでは、グラウンドに出入りする都度、一礼する選手も多い。グラウンドは神前ではないが、「神聖なところ」と捉えるところから来ているのだと思う。一流チームほど徹底しているところがあると思う。
今回は孔子の行動だと思うが、宮廷を神聖なところとする思いが行動に現れているように思う。それは「礼」を重んじる孔子らしいと言えば孔子らしいのだろう。実際に神様がいる場所以外も神聖な場所と捉えて重んじる行動は素晴らしいと思う。特にグラウンドをそう考えるのは日本人以外にもあるのかどうか知りたいところである。考えてみれば、グラウンドはスポーツをする場所で、神様とは無縁である。そこを神聖な場所と考えるメンタリティ。これは如何なるものなのか。
そう言えば、小学生の時、近所の野球チームに入部したが、そこで教えられたのがグラウンドでの礼であり、バッターボックスに入る時の礼である。また、試合前には審判を前にして相手チームと向かい合い、一礼して試合に入る。それは神聖な場所というよりも、礼儀という意味合いが強いと思う。正々堂々とルールに従って勝負をしましょうという宣言である。スポーツは何をしても勝てばいいというものではない。スポーツマンシップに則って正々堂々と勝負することが重要なのである。そういう意味もあると思う。
そしてグラウンドを神聖な場所と捉えるメンタリティ。グラウンドは神様とは無縁であるが、グラウンドがあるからラグビーができる。そこで仲間と切磋琢磨しあう。自分の技術を磨き、ライバルと競う。怪我をしないためにもグラウンド整備は重要であり、グラウンドは意思を持たずとも、基本的に大事にするというのがプレーヤーの考えであろう。今は人工芝のグラウンドが増えているが、我々の学生時代は土のグラウンドだったから、グラウンド整備はより重要であった。
私も三年時にはグラウンド整備担当責任者になり、1年間グラウンド整備に汗を流した。練習後にはレイキをかけて整地し、夏には除草し、特にラインを引くところは除草剤を使って念入りに除草整備をした。公式戦で使用する場合は、グラウンドの整備状況は試合にも影響するし、また恥ずかしくないグラウンドを見せることは、相手チームに対する1つの勝負でもあった。女性の化粧みたいなものかもしれない。そして試合での泣き笑い。練習で流した汗とが染み込んだあのグラウンドは、確かに神聖な場所であると言える。
自分が仕える宮廷を神聖な場所として敬うことは大事であると思う。そしてそれを人目を憚らず体現できるのも素晴らしい。そういう気持ちでいたら、不正などは起こさないであろう。翻ってみれば、職場も本来はそういう気持ちで出入りすべき場所なのかもしれない。何よりそこで生活の糧を得ているのであり、もちろん労働を提供しているということはあるが、それは当然として、自分の生活を支えている場であると考えればそこは神聖な場所であると言える気もする。
明日から密かに一礼して出入りする気持ちでいたいと思うのである・・・
【今週の読書】

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