2023年6月11日日曜日

お誘い

 私は基本的に人見知りである。初対面の人と話すのは苦手であるし、できれば回避したい。初対面どころか、それほど親しくない人であっても同様である。だから会社の帰りは基本的に1人で帰るし、帰りたいクチである。たとえば会社の帰りがけに一緒にエレベーターに乗ってしまうと、どうしようかと悩んでしまう。帰る方向が逆ならいいが、同じなら何らかの理由をつけて違う電車に乗るようにするほどである。「1年生になったら友達100人できるかな🎵」などとんでもない話で、友達は10人もいれば充分である。

 それでも偏屈ではないので、お付き合いは大事にしている。先日は、会社を出たところで同じ会社の人たちと一緒になってしまい、躊躇したところで飲みに行きませんかと誘われた。立場が下の人から誘われて断るのも悪いし、ということで飲みに行った。普通に飲んでおしゃべりし、立場上もあって会計はかなり負担したが、それなりに有意義な飲み会であったと思う。それでも帰りは「ちょっと一服していく」という口実を設けて乗る電車をずらした。その方がリラックスできるのである。

 Facebookではいつの間にか友達が200人を超えている。自分でも驚くが、知らないうちにそれだけの人から「友達」申請を受けるようになっているわけである。実はこの友達も自分から申請した人はほとんどいない。それなのに200人もの人から申請をいただくのはありがたいことだと思う(ただ、中には片っ端から友達申請している感じの人もいるが・・・)。それはそれで大事にしたいと思うが、ここでもやっぱり自分から申請する事はない。

 最近、困るのは誘われることだ。たとえば、とある先輩から熱心にラグビーの試合に誘っていただく。自分は既にチームに加入しているので、所属チームの活動を優先するとお誘いを受けることは難しい。それに予定が重ならなかったとしても、二つのチームを掛け持ちできるほど暇を持て余しているわけではない。それでも熱心にお誘いいただくと無碍にもできない。かつてお世話になった先輩だけに、何とか受けられる範囲でお誘いに応じている。嫌な奴だと思われているのなら誘われないわけであるし、そういう意味ではありがたいのだが、困惑しているのも事実である。

 先日、助っ人を頼むと請われて試合に参加してきた。その時は、前日から雨が降らないかなぁ(雨だと使えなくなるグラウンドであったのである)などと思ってしまうし、当日も朝から自分の心に鞭打たないと足が動かない。ようやくグラウンドに行っても、やはり初対面の人たちだとどうしても心の壁を打ち砕けない。プレーに必要な会話は自分からするが、そうでなければ自分からはしない。もちろん、挨拶はしっかりとする。表面上はうまくやっていると思う。おそらく心の中でそんな風に距離を置きたがっているなどとは思われないだろう。試合が終わって帰り道に1人になってようやく安堵する始末である。

 世の中にはそんなに苦労しなくても人と交わる事ができる人がいる。それはそれで別に羨ましいとは思わないが、凄いなと素直に思う。自分にはとても真似できないし、したくもない。友達と一言で言っても濃淡がある。大きく分ければ、自分から誘いたい友達と、誘われれば付き合うけど自分からは誘わない友達。数から言えば圧倒的に後者が多い。それでも自分としては、それで塞ぐことはない。誘われても嫌だというわけではないから応じたりはするが、大勢が参加するような飲み会だと(クラス会のようなものは別だが)躊躇するかもしれない(先日も銀行時代のラグビー部の集まりはお断りしてしまった)。

 お誘いいただくのは非常にありがたいと思う。だから基本的には断らないようにしようと思う。ただ、体は一つなので、無理してまで誘いに応じるのは辛いところ。その心理的負担も実はかなりある。飲みニケーションという言葉があるが、特に職場では飲みに行って話をすることで、その人との絆がより一層深まり、互いの理解が進むということはある。だから大事にしているが、では自分から部下を誘うとなると、別の躊躇を生む。「誘われて迷惑でないだろうか」と思ってしまう。それでも半年に一度くらいは声を掛けて部内飲み会を開催するくらいはしないといけないかなと考えている。

 そんな自分にとって、人付き合いは誠に難しい。大事だとは思うが、苦手意識は抜けない。苦もなくやれる人は羨ましい気もするが、自分も身につけたいとは思わない。いずれ引退したら人付き合いもグッと減るだろう。その昔は、モーレツサラリーマンが定年退職して年賀状もガクンと減って腑抜けのようになるという話を聞いた事があるが、自分は人付き合いのストレスが減って却っていいようにも思う。寂しい思いをする事がないのは確かだろう。本当に誘いたい友達だけが残ればそれで充分満足である。

 そんな引退後の生活を夢見つつ、今はお誘いいただけるありがたさに充分感謝しながらやっていきたいと思うのである・・・

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

【本日の読書】

 



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