2018年1月17日水曜日

情熱

毎朝の通勤電車で読む本はビジネス系と決めているが、今週はちょうど『人生の勝算 という本を読み終えたところである。「SHOWROOM」というネットサービスを創業し運営している会社の社長さんである。読んでいてまだ29歳ながらすごい人だなと感心してしまった。とにかく仕事にかける執念が凄まじい。新卒で外資系証券会社に入社し、トップの成績を収めていたらしいが、ほとんど24時間働いているイメージである。

その勢いは既に就活時の話に現れていて、創意工夫と熱意とがほぼすべてにわたってみなぎっている。その勢いで創業に至ったようであるが、ご本人はその原動力を「モチベーション」または「エネルギーの量」と表現している。それは知識でも技術でも資格でもないと言う。それを読んでいて思わず納得してしまった。それはあらゆることにわたって言える真実だと思うからである。

 かつて、シルベスター・スタローンが無名の頃、『ロッキー』を映画化したくて脚本を書いて映画会社を回ったそうである。ところがどこも見向きもしてくれない。挙句、別の俳優(ポール・ニューマンだったとか)主演でどうかと大金を積まれたが、自らの主演に拘って信念を通し、ついに映画化にこぎ着け、アカデミー賞に輝く大成功を収めた。おそらくそれまでの苦しい間、己の信念を支え続けたのは映画化に向けた「執念」だろう。

 アントニオ猪木が、当時老舗だった日本プロレスを追放され、わずかな仲間たちと新日本プロレスを立ち上げた時の話も印象深い。外国人レスラーのルートは抑えられ、いつ倒産するかという瀬戸際で団体を維持し続けた。自宅を道場に改装し、細い伝手を頼って外国人レスラーを招聘し、リングで熱い戦いを見せ続けた。外国人レスラーの招聘ルートやスタッフやレスラー仲間らすべて整った状態で創業したジャイアント馬場の全日本プロレスとは対照的である。現在新日本プロレスは業界最大手であるが、苦しい創業期を乗り切ったアントニオ猪木を支えたのはやっぱり「執念」だったのだろう。

 自分自身を振り返ってみると、そんな有名人ほどではないが、自分なりに苦しい中「頑張ったな」と言える経験がある。高校を卒業して宅浪していた1年間がその時で、受かるか受からないかという不安の中、周囲の反対を押し切って予備校へも行かず、110時間の勉強ノルマを自分に課して無事第一志望に合格した。「予備校に行った方が良いのでは」「志望校のランクを落とした方が良いのでは」という声に抗って初志貫徹できたのは、やっぱり「執念」だった。

 「モチベーション」なのか「エネルギー量」なのか「執念」なのか。言葉は違えどその本質は同じものだと思う。一番ピッタリくる言葉は、「情熱」ではないかと思う。自分の目指すものにどれほどの心血を注ぎこめるのか。その熱さこそが、知識や技術を超える原動力になると思う。資格を取る前に考えなければならないのが、自分にはどれだけの情熱があるかということだと思う。『人生の勝算 の著者である前田裕二氏にはそれが溢れている。

 自分の人生を振り返ってきて、一番反省させられるのが、社会人になってから仕事に情熱を持たなかったことである。今もそれほどあるとは思えないが、それでも今の半分でも仕事に投じていたら、確実にもっと違う会社員人生を送っていただろう。そこまで意識がなかったのが悔やまれるところである。今からでも残り少なくなりつつある社会人人生を充実するためにも、情熱を持って仕事を進めていきたいものである。

 今年の目標は「心と体を鍛え直す」であるが、仕事に加えてそれ以外にも情熱を持って取り組めるものを増やしていきたいと思うのである・・・




【本日の読書】
 
 

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