2010年8月19日木曜日

関心

毎朝の日課として、パソコンでCNNの英語版ニュース(CNN.com International)を見ている。
日本とは違うニュースが流されていて、ちょっと新鮮だったりする。
ここのところのメイントピックスは、パキスタンの洪水だ。
ずっとトップニュースで扱われている。
日本でも報道はされているが、その扱いとは大きな差がある。

日本人には日本人の関心事というのがあるから、扱いが違うのは当然なのであるが、ふとどれくらいの人がこの洪水のニュースに関心を寄せているのだろうかと考えた。
たぶん、「ふ~ん、大変だなぁ」と一瞬思うくらいだろう。
新聞の扱いも小さいし、まったく感心を示さない人も多いと思う。
しかし、現地では多数の犠牲者も出ていて、さらに水も食料も不足していて、コレラまで出ているというから深刻だ。

話は逸れるが、この水が不足しているというのも不思議な事だ。
大洪水というからにはあたりには水が氾濫するほどあるのである。
もちろん、ここで言われているのは「飲料水」だ。だが他の動物は平気で飲めるわけである。人間だけが「飲料水」でないといけないというのは、なぜなんだろう。
野生の逞しさがもはや人間にはないということなのだろうか。

日本政府はパキスタン政府の要請を受けて、ようやく費用面の援助とヘリの派遣を決めたようである。ちなみにアメリカはヘリによる救助はとっくに始めている。アメリカは親米政権のこのイスラム教国に対してはいろいろな思惑があるから、無理もないところだ。だが、それを割り引いたとしても我が国の対応は遅いなぁと思わずにはいられない。

聞くところによれば、我が国にもこうした他国の災害に対しては、救助隊や医師団を招集して派遣できる態勢はできているらしい。だが災害発生からどのくらいで派遣されるのか、今回はどうなっているのか、日本のニュースを見ていてもさっぱりわからない。

たぶん、マスコミがおざなりにしか報道しないから、国民も関心を持たないのだし、したがって政治家も腰が重くなるのだろう。国民が関心を持って、「政府は何をしているのだ」という声が高まれば、政治家の対応もマスコミの報道も変わってくるのだろう。
ではどうしたら国民が関心を持つのだろうかと言えば、やはりマスコミが積極的に取り上げて報道する事だろう。マスコミが積極的に取り上げるには、やはり国民が関心を持たなければいけない・・・おそるべきジレンマ・・・

自衛隊のヘリが派遣されるようだが、それは災害救助だから当然非武装となるらしい。
だが、パキスタンはタリバンの巣食うアフガニスタンに隣接し、災害救助とは言え外国人憎しのタリバンから思わぬ攻撃も受けるかもしれないとの指摘もある。
パキスタン政府は安全を保証してくれるらしいが、自衛隊なんだから自分たちでやれるのにまったくおかしな国だ。危険があるならそれに備えるのは普通の事だが、なかなかその普通がいけない事のようだ。その話は横道にそれてしまうから、またいずれかの機会に譲りたい。

現地はいまだモンスーンの勢力が衰えず、道路も水没して救援もままならないらしい。
だからのヘリ要請なのであるが、それにしてもパキスタンは核兵器まで保有している軍事大国なのに、自国民を救助するヘリさえ十分にないのだろうか?
それとも日本よりも人口の多い国だから足りないのだろうか。

それにしても、こういう時にこそすぐに駆けつけて援助の手を差し伸べる事が大切なのにと思わざるを得ない。お金を出すよりも、要請される前に救援に向かえば相手の感謝と信頼を得られる事は間違いないのに・・・

かくなる上は、自分としては何ができるだろうかと考えてみたが、やっぱり何も出来そうもない。
せめて関心を持って、明日もCNNのニュースを見る事にしたいと思うのである・・・


【本日の読書】
「デカルト方法序説を読む」谷川多佳子
「リング」百田尚樹
     
    

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