2024年3月2日土曜日

名言に支えられる

 私は昔から名言格言の類が好きで、気に入ったものを見つけてはメモしてきた。もうだいぶ溜まったが、次々に見つけてはメモしているのでその数は増え続けている。名言格言好きなのは、自分への励ましから始まったかもしれないと思う。

【雨は一人にだけ降り注ぐわけではない(ロングフェロー)】

似たような言葉に「夜明け前が一番暗い」というようなものもあるが、「辛いなぁ」と思う時にこう考えるともう少し頑張れそうに思う。


 幸福についても昔から考えていたように思う。

【人は自分が幸福であることを知らないから不幸なのである(ドストエフスキー)】

【家の上に屋根あり、屋根の上に月あるを、思うのみにて我が心足る(百田 宗治)】

【不幸になりたければ、自分が幸福か不幸か悩むこと(デール・カーネギー)】

みな同じ事を言っているが、「幸せは見えない」という事は常に意識していたいと思う。そうでないと、【近すぎて見えなかったものも、遠ざかる時はじめてその形がよくわかる(銀色夏生)】という事になりかねない。【幸せとは気づくこと】と自分に言い聞かせると、日々の不幸感もやわらぐというものである。


 「考え方」はとても重要だと思っている。「意識」と言い換えることもできるが、考え方次第で己の行動も随分と変わる。【他人はすべて自分よりもアカンと思うよりも、他人は自分よりエライのだ、自分にないものをもっているのだ、と思うほうが結局はトクである(松下幸之助)】とは、仕事では常に意識するようにしている。ついつい自分の考え方こそが正しいと思ってしまいがちであるが、こういう意識をもっていると、相手の言い分もきちんと聞いてよく考えようという気になる。そしてそのせいか、今の会社に移ってから比較的人間関係はいいと思う。要は【青い眼鏡をかければ、世の中がすべて青く見え、赤い眼鏡をかければ、すべてが赤く見える。世の中は自分の心の反応である。人を憎めば人もまた自分につらく当たり、人を愛すれば人もまた自分に親しむのである。(精神医学者森田正馬)】という事だと思う。


 仕事関係に活かせるものは数多い。

【成功は結果であって、目的であってはならない(フランス小説『フローベール』)

【積極的に仕事をすれば、失敗するのは当たり前(明治食品社長佐藤辰雄)】

【どこまで行けるかを知る方法はただ一つ、出発して歩き始めることだ(アンリ・ベルクソン)】

【真剣にやると、知恵が出る。中途半端にやると、愚痴が出る。いい加減にやると、言い訳しか出てこない。(第20代商青連会長大脇唯眞)】

こうした意識があると、仕事の中で生じてきた問題に対する態度がすんなり決まったりする。そういう言葉が、共感を呼んだりすることもしばしばである。


 最近、ちょっと気に入ったのは、【男は大人のフリした少年であり、女は少女のフリした大人である】だろうか。男がなぜ馬鹿なことをやるのかという事をよく表している。子供は自分のやることを「馬鹿な事」とは思わない。そして男は年齢を意識しない。女から見ればあきれるのもよくわかる。さらに女から見れば石を投げつけられそうだが、【男には2種類しかいない。浮気をする男とそれがバレる男。(ドラマ『夫婦の世界』)】というのも心にヒットした。付け加えるなら、「そしてみんな自分はバレないと思っている」だろうか。【美女というやつは複数形でしか考えられない】というのもあったが、男としては共感する心を止められない。


 名言は、偉い人がもっともらしく言ったものだけとは限らない。上記のようにドラマの中のセリフが心に刺さることもある。【家族とは「さよなら」と言わない人たち(ドラマ『WOMAN』)】には、思わず唸ってしまった。ファンである満島ひかりのドラマを漁っていて観たものであるが、ドラマの内容と相まって心に響いてきた。ドラマでも漫画でもそんな言葉にいたるところで出会う。【戦場には真っ先に降り立ち、そして一番最後に去る】とは、何だったか忘れた映画の中のセリフだったが、自分もかくありたいと思う。こういう言葉は、いつしか自分の行動指針になったりする。ヒーローモノの映画やテレビを観てその気になりやすい男にとっては特にそうだろう(そういう意味でも男は大人のフリした少年なのである)。


 考えてみれば、人間は自らの経験によって得た真理を他人に伝えようとする。名言などと意識しなくても、「ことわざ」という形で身の回りに数多く残っているものもある。私に限らず、そうした先人の知恵のようなものを知らず知らずのうちに取り入れていたりするのかもしれない。同じ言葉でも、人によって心にヒットするか否かは異なるだろうと思う。【問題意識があれば、情報は自然に頭のなかにはいってきます。しかし、どんなにたくさんの情報を集めたところでその情報をどう見るかという自分の「見方」を持っていなくては、情報は一本の糸でつながりません。(邱永漢 『株の原則』)】なのである。日ごろから考えていることとマッチする時、あるいは自分の考え方とマッチする時、心にヒットするのだろうと思う。


【私を天才と呼び、成功者というのはあたらない。何もかも精一杯の努力をしただけだ。(エジソン)】

【発見とは人と同じものを見ながら人の気づかないものを見つけることである(ハンガリー医学者セント・ジェルジ)】

【人間はしばしば、他人の欠点をほじくることによって、自分の存在をきわだたせようと考える。だが彼は、それによって自分の欠点をさらけ出しているのである。人間は聡明で善良であればあるほど、他人の良さを認める。だが愚かで意地悪であればあるほど、他人の欠点を探す。(トルストイ)】

【人は軽蔑されたと感じたとき最もよく怒る。だから自信のある者はあまり怒らない。(三木 清)】

【困難は、人の真価を証明する機会なり(エピクテトス)】


 何にせよ、自分一人で成長できるものではないし、こうした名言で己の精神を養いたいと思う。そのうち子供に伝えたいものを自分でも残せるようになりたいと思うのである・・・



AlexaによるPixabayからの画像

【本日の読書】

イーロン・マスク 上 (文春e-book) - ウォルター・アイザックソン, 井口 耕二 教誨 - 柚月裕子





0 件のコメント:

コメントを投稿