2017年11月1日水曜日

営業マン

銀行員時代は気がつかなかったというか意識しなかったが、中小企業に転職して感じたのが「セールスの多さ」である。電話はもちろん、飛び込み訪問のセールスも連日数多い。考えてみれば、銀行は本部なら受付があり、電話のオペレーターがいる。飛び込みセールスはとてもではないが入り込む余地はない。支店もそんな雰囲気はない。銀行以外でも大企業なら似たようなものだろう。

それに対して中小企業はガードが低い。電話はともすればストレートに社長に取り次がれ、飛び込み訪問もすんなりと入ってこられる。ただ、そうしたセールスがただ煩わしいものかと言えばそうではない。なかなか気がつかなかったり、あるいは伝手がなかったようなものもあって、それはそれで有意義なのである。特に不動産業界は情報ルートは多過ぎて困るということもない。

そんなわけで、私は飛び込みの営業が来れば率先して出迎えるようにしている(と言うと聞こえはいいが、実のところ私以外に対応できる人がいないというのが実情であるが・・・)。
そういう飛び込みの営業マンも実に多彩である。弁舌さわやかだったり、「営業成績悪そうだな」と感じさせる人だったり。たいがいは若い人だが、暑かったり寒かったり雨が降っていたりする中、門前払いも数多いだろうし、営業も大変だと思う。

そんな営業マンが訪ねて来た時は、できる限り丁寧に応対するようにしている。話を聞けば何か得ることもあるかもしれないし、あちこちで門前払いばかりでは気の毒というもの。よほどこれから出かけるという時以外は、多少忙しくてもそんな対応を心掛けている。しかし、営業マンの中には「どうなんだ」と首を傾げざるを得ない人もいる。一例は昼休みに訪ねてくる営業マンである。

我が社は、昼は12時から社内で弁当を食べている(残念ながら愛妻弁当ではない)。そんな時に訪ねて来られると、さすがに困ってしまう(弁当は食べたいし、午後一で予定があったりすると食べ損なってしまう)。アポなしで来る以上、せめて昼休みは避けようという考えはないのだろうかと疑問に思ってしまう。ひょっとしたら上司に怒られるからとにかく数を回ろうと思っているのかもしれないが、営業マンたる者、相手の事を考えられないとその時点で失格だ。

また、ある不動産業者の担当者は、たびたび土日に携帯にかけてくる。向こうは土日営業中だが、こちらは休み。そちらはセールスではなく、打ち合わせなのであるが、やはり配慮というものがない。一度こちらが休みだと知らないのかと思って伝えたところ、その次から「お休みのところすみません・・・」と架かってくるようになった。緊急ならいざ知らず、そうでないのなら相手への配慮は欲しいところだ。私もこの方との仕事は一段落を機に終わらせるつもりである。

かと思うと、先日尋ねてきた営業マン(というより営業レディだ)は、久しぶりの再訪だったが、こちらのことをよく覚えていた。もちろん、こちらは忘れている。あまりにも細かい事に及んだので、たぶん面談が終わったあとメモを取っていたのだろう。そういう心遣いができる人は成績も上げられるだろう。ただ残念だったのが、会社の商品に魅力がなかったことである。

そういうところに気がつくというのも、じぶんにそういう素養が備わっているからだろうと自画自賛してみる。その素養を今のところ飛び込み営業マンとして活かす必要がないのが幸いである。ただ、何でも出来なければいけない、やらなければいけない中小企業ゆえ、必要があれば率先垂範したいと思う(したくないけど・・・)。
何はともあれ、営業は大変である。弊社にやってくる彼ら彼女らに、心密かにエールを送りたいと思うのである・・・




【本日の読書】
 
     

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