2017年9月21日木曜日

無関心の罪

仕事で日常的にマンションとの関わり合いがある。会社で賃貸業を営んでいるのであるが、そのうち区分所有マンションの割合が高いのである。初めこそ、借りていただく部屋の中に全神経が行っていたが、サービスを追求していくとやがてそれが共用部分に広がり、そうすると必然的に管理組合にも関心が及ぶようになった。

ファミリータイプのマンションでは、非居住オーナーや法人は理事になれないとされているところが多く、せいぜいが総会に参加して意見を述べるくらいしかやることはないのであるが、投資用マンションは理事のなり手がなく、そうした理事のなり手に対する制限もなく、したがって今は3つの投資用マンションで自ら手を挙げて理事(長)を務めている。

この投資用マンションでは、オーナーはほとんどが非居住で、悪く言えば「家賃さえ入ってくればいい」という感じでみなわざわざ理事になどなろうとしない。すると当然の如く管理はほとんど「管理会社任せ」となってしまう。そして大半のマンションは、分譲会社がグループで建設して管理してと収益構造を構築している。建てたところが管理規約を定め、管理会社として運営に携わっているのである。

そんなところにもってきて、オーナーが無関心となると、管理会社はそこで安定収入を築くことになる。最近、理事長に就任した某マンションもそんな典型で、理事長として「まともに」仕事を始めたら管理会社も対応が後手後手に回り、いまやこちらからの問い合わせや要求にあたふたしている有様である。

さらに気がつけば、マンションの屋上に管理会社の大きな看板が掲げられているが、これも「管理規約」で無償使用が認められている。もちろん「管理規約」を作ったのは当の管理会社であるから、これぞ「お手盛り」の典型だろう。普通であれば、看板を掲示するのに費用がかかるわけで、それをタダにするルールを作って何も知らない購入者に認めさせているわけである。言い方は悪いが「やりたい放題」なのである。

こうした事実を大半のオーナーは知らない。最近、不動産投資がもてはやされ、特に手軽なマンション投資に飛びついてオーナーになっている人は多いようだが、ほとんどの人が部屋の家賃収入の収支にしか関心がないと思う。マンションに不可欠な管理費・修繕積立金も「仕方ない」と思っているだけで、工夫次第で安くなったり、あるいは値上げを防げたりする事実に気がつかない。

「無知の知」がもてはやされるのはソクラテスの理論だけで、やはり「知は力なり」である。先の投資用マンションでは理事長に就任したのをいいことに、これから管理会社のご都合を是正していこうと考えている。それとあわせて他のオーナーさんにも総会への出席を呼びかけ、こうした事実を「啓蒙」していきたいと考えている。

折から衆議院の解散総選挙が話題に上っている。選挙と同様、マンションも「他人事」だと思っていると、いつのまにか見えない損失を蒙っているかもしれない。それを防ぐには、何よりも「知識」だと思うが、知識がなくても「関心」があれば答えに辿りつけることは多々あると思う。何よりも「無関心」こそが戒めるべきことだと思えてならない。
何事にも関わらず、自分と家族が関係するものであれば、「無関心」だけは避けなければならないと思うのである・・・




【本日の読書】
 
   


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