最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるでもない。唯一生き延びるのは変化できるものである。
ダーウィン
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『オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」』という記事を以前目にした。ここのところ『自分の時間を取り戻そう-ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方-』とか、『第四次産業革命-ダボス会議が予測する未来-』などといった本を読んでいろいろと将来のありようを考えるが、市場から淘汰されないためには、やはり日頃から意識を持たないとダメであり、自分の仕事が「消える」のかどうかは考えておかないといけない。
先の記事では、身近なところで「不動産ブローカー」というのがあった。言ってみれば「不動産仲介業」であるが、なるほどマッチングビジネスの代表とも言えるこの業務はなくなるかもしれないと思う。なにせ、「売りたい」、「買いたい」、「貸したい」、「借りたい」という要望を結びつけるだけであるから、AIが進化したらブローカーなど不要になるのは必然だと思われるからである。
同じ不動産業と言っても、我が社は「賃貸業」が中心なので、関係ないやと構えていることもできるが、もしも仲介業だったらと考えてみることも必要かと思う。そうだとしたらこの10年で何をするであろうか。
まずAIに何ができて何ができないだろうかと考えてみると、単なる検索はAIが圧倒的だ。AIでなくても、今でもスーモなどに希望の「場所」「家賃」「駅からの距離」「間取り」「築年数」「専有面積」などを入力すればたちまち候補がいくつも出てくる。さらに「バス・トイレ別」「2階以上」「洗面所独立」など「こだわり条件」なども指定できる。既に「検索分野」では、不動産屋の役割は少なくなってきている。
とは言え、選んだあと実際に内見をしたり、気に入ったら申し込みをして時には条件なども交渉して契約をしてという事務手続きがあるわけで、この部分がどこまでAIにできるのかにもよるが、仲介業もまだまだ生き残る道があると思える。それに物件を選んではみたものの、実際に内見してみたらどうもイマイチだったなどという場合、「ちょっと条件から外れますが、こんな物件もありますよ」というおススメはAIにできるだろうか。「ここの大家さんはこんな方ですよ」とか「この辺りはこんなものもありますよ」なんて話は、まさに「人間業」なのではないかと思ってみる。
大家さんの立場からすると、早く入居者を決めたいという場合、通称ADと言う仲介会社に払う手数料を上乗せすることによって優先的に紹介を依頼してもらったりするが、AIだとそれができなくなるかもしれない。大家さんによっては、仲介会社の担当者に成約に際して付け届けをしたりしている人もいると聞く。「袖の下」とも言えるが、気は心だし、お互いハッピーなら別にとやかく言うことでもないが、こうした「人間ならでは」のこともできなくなるだろう。
そう考えると、まだまだ「消える」とは言えなさそうな気がする。それよりもいたずらにAIを脅威とするのではなく、うまく自社に取り入れて「マッチング」の部分は代行させるように利用するとかすれば恐れるに足りずという気がする。いたずらに戦々恐々として、「自分の仕事は大丈夫だろうか」と不安になったり、「自分の仕事は大丈夫だろう」と安易に安心したりするのではなく、「なくなるとしたらどうするか」と前向きに考えるようにしたいものである。
そもそもであるが、AIがどこまで進化するかにもよる。部屋を探しに来たお客さんに瞬時に候補物件を挙げ、そのまま内見に案内し、インプットしてある大家さんの人柄や地域の特徴や、同じ物件に住む入居者のトラブル履歴や地域情報を事細かく説明し、AD情報を加味しつつ契約まで代行するようになれば、もう完全にお手上げだろう。経営者は従業員を雇う必要がなくなってしまう。
まるでSFの世界だが、さすがに10年ではそこまではいかないだろうが、20年でも大丈夫かどうかはわからない。自分はともかくとして、これからを生きる我が家の子供たちには、どんな世の中になっても、どんな環境の変化があっても、生き残っていける術を考える人間になるように教えたいと思ってみたりする。
ダーウィンの言葉は、今もなお、そしてこれからも真実であり続けると思うのである・・・
ダーウィンの言葉は、今もなお、そしてこれからも真実であり続けると思うのである・・・
【本日の読書】
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