つい先日、ネットのアンケートで「松田聖子のベストアルバムについて」というものがあった。20種類くらいの曲のイントロが流れてくるアンケートで、要は「発売されたら買いたいか?」というものであった。おそらく、ある程度購入意欲が高ければ、発売しようという腹積もりなのだろう。
松田聖子といえば、我々の世代からすると、ちょうど多感な思春期にアイドルとして人気のあったスターだ。いまだ現役で、娘と一緒にTVに出ていたりする。特にファンだったというわけではないが、『瞳はダイヤモンド』を始めとして結構好きな曲があったのは確かだ。久しぶりに聞いていたら、なんだかもっと聞きたくなってしまった。もしかしたら、発売されたら買うかもしれない。
そう言えば、最近はあまり新しい曲を聞かない。この1年で言えば、JUJUの『ラストシーン』をダウンロードしたくらいだろう。それに対し、たまに音楽を聞くとなると、『ABBA』や『ビリー・ジョエル』、『クィーン』、『ジョン・レノン』など昔のアーティストのベスト盤ばかりだったりする。
いずれも若い頃特にファンだったというわけではないが、何となく気に入って聞いていたというものばかりである。いずれも購入したのは、ここ10年くらいの間である。何だか無性に聞きたくなって購入し、以来幾度となく聞いているが、飽きるということはない。最近のヒット曲はあまりよくわからないが、新しいものを聞きたいと思わなくなってしまっている。
YouTubeでも昔の曲はいろいろと聞ける。たまに暇であれこれ検索するが、今でもファンである忌野清志郎率いるRCサクセションはもとより、気がつくと松田聖子はもちろんのこと、薬師丸ひろこや中島みゆきなんかにも聞き入ってしまったりする。最近のアーティストよりも、学生時代に聞いていた曲の方が耳障りがいいのである。
そう言えばその学生時代、TVでアイドルが出演しているのを見ると、母親などはよく「こんなののどこがいいのかしら」と呟いていたものである。そんな母親のお気に入りは美空ひばりで、当時の私はと言えば、美空ひばりを始めとする演歌などは、逆にどこがいいのかわからないと言い返していたものである。だが、そんな演歌さえ最近では石川さゆりの『津軽海峡冬景色』は紅白では欠かせないと思っていたりする。
時を経ることによって、昔はそれほど思わなかったものが、熟成されて心に響くものになったのであろうか。薬師丸ひろこなどは、ちょうど同級生の年次なのであるが、昔は世間で騒ぐほど演技も歌もうまくないと思っていたものである。それが今では『Woman』や『メインテーマ』、『探偵物語』など繰り返し聞くようになっている。(歌はやっぱりうまくないと思うのだが・・・)。
なぜなんだろうと思ってみたりする。人間年を取ると昔が懐かしくなったりするもので、自分も例外ではないということだろうか。よく言えば、それらの往年の名曲は時を経た今でも輝きを失っていないとも言えるのだろう。夜、娘を迎えに行く車の中で聞くビリー・ジョエルなんかは、今でもたまらない雰囲気がある。自分としては後者だと信じたいところである。
あと40年もしたら、娘も今聞いている「嵐」や「関ジャニ♾️」なんかの曲を懐かしがって聞いているのだろうかと思ってみたりする。今や車の中のBGMは、娘の好みになっている。昔の母親のように「こんな曲どこが」なんて思わずに、なるべく耳を傾けてみようかと思ってみたりするが、やっぱり心に響くものはない。
まぁ無理して今の曲を聞く必要もない。良いと思えばJUJUの曲みたいにダウンロードすればいいわけだし、人によく思われたくて音楽を聞くものでもない。昔の曲だろうと今の曲だろうと、いいものだと思えばそれを聞けばいいだろう。そういう肩肘張らない自然体で、音楽とは向き合っていきたいと思うのである・・・
【本日の読書】
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