小林 一茶
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金曜日に妻が観ていたテレビは、フィギア・スケートの浅田真央の特集番組。イチローもそうだが、真央ちゃんも才能だけの選手ではないようである。ソチオリンピックが終わって1週間。良いタイミングでの特番だし、観た人も多かったのではないかと思う。
番組を横目で観ながら、何となく感じた。世の中には、陽のあたる場所とあたらない場所がある。世の中は、けっして公平ではない。それはそれで、仕方ない事である。
浅田真央は、残念ながらメダルを逃してしまったが、最後の演技は素晴らしいものであったらしい。我が家の妻も夜遅くまで起きて観ていて、涙腺が崩壊したらしい。翌日のニュースは、浅田真央一色。職場でも、その話題が聞こえてきた。
世間の関心度からいって、それは当然の事。太陽が輝いてそれを浴びるものがあれば、当然その陰もできる。 そんな事が、最近私の身の周りでもある。母校である都立小山台高校が、この春の選抜甲子園大会に出場を決めた。実力的には、まだまだ甲子園は遠いようであるが、「21世紀枠」という制度で、全国3校の一つに選ばれたのである。それはそれで簡単な事ではないし、大変喜ばしい事でもあり、私も後輩たちを応援したいと思う。
当然の事ながら、これに卒業生も大フィーバー。寄付の募集や応援ツアーの話で、連日あちこちで盛り上がっている。されど、同時期に全国大会出場を決めた将棋班(我が母校では伝統的にクラブ活動を『班活動』と呼んでいる)の事は、ほとんど話題にも上らない。会報の扱いにしても、比較にならない。唯一、学校に掲げられている横断幕だけが、同じ大きさで公平な扱いであった。さすが、校長先生。
それは関心度から言っても仕方ない。同じ全国大会と言っても、やはり甲子園は別格だし、「野球だけが班活動ではない」と正論をぶったところで仕方ない。私自身は、ラグビー班0Bなので、野球も将棋も「他班の事」という意識がある。どちらも同じ後輩ではあるが、関心度に差はない。だから、よけい「陽の当らない場所」に敏感なのだと思う。
思えば高校生の時から、その差を感じていた。かたや甲子園の東京都予選の一回戦から結果が新聞に載る。かたや花園の全国大会ですら、試合結果は一回戦くらいだと新聞を隅まで探さないといけない。 大学に進んで、自分たちの(ラグビー部の)公式戦の結果がスポーツ新聞に掲載された時は、嬉しくて何度も見たし、もちろんそれを取っておいたのは言うまでもない。
そうしたマイナーの世界の経験と、もともとアマノジャッキーな性格が災いして、母校の甲子園出場に対する感応度は非常に低い。もちろん、将棋班の全国大会出場についても同様であるが、「陽の当らない場所」に対する共感度がある分、こちらの方がむしろ応援する気持ちは強いかもしれない。 まあ一人くらいひねくれ者がそっぽを向いていたところで、母校の甲子園には何の影響もないだろうし、そこが気楽なところ。
当初はテレビで応援しようと思っていたが、それも段々と気持ちが萎えてきている。もちろん、寄付など初めから毛頭考えていない。もともと甲子園など、観なくなって久しいし・・・
それより、小学校3年になる息子がいよいよ近所の少年野球チームに入る事になった。気になるのは視力の衰え。たぶん遺伝なのだが、これは由々しき事態。この春は、この問題に対する関心がかなりのウエイトを占める事になりそうである。
ところで、天の邪鬼な性格は遺伝するのだろうか。ちょっと気になるところである・・・
【今週の読書】
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