2012年5月11日金曜日

汝の味方を愛せよ

日本海呼称めぐり請願合戦 米政府HPが一時ダウン
2012.4.21 22:34
 韓国紙の朝鮮日報(電子版)は21日、米国の教科書に記載されている「日本海」の呼称を「東海」に変更するよう求める韓国人と現状維持を訴える日本人がそれぞれの要望文を米ホワイトハウスのホームページ(HP)の「請願コーナー」に互いに大量にアップしたため、同HPが一時ダウンしたと報じた。
 同紙によると、米首都ワシントン郊外のバージニア州の韓国人会が3月下旬、「子どもたちが間違った歴史を学ばされている」として「呼称の訂正」を要求する請願文を寄せたのを機に韓国人の請願運動が始まった。
 今月半ばにはこうした動きに反発する日本人の文章がアップされ、双方が懸命に呼び掛けを行っている。同HPに寄せられた呼称変更を求める署名は計2万5千人以上といい、大半は韓国側のものとみられる。(産経ニュース)
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三浦綾子の『氷点』 という小説がある。自らの娘を殺した男の娘を引き取った夫婦と、引き取られた娘陽子の物語である。「汝の敵を愛せよ」というキリスト教の教えを実践に移し、夫は自分の娘を殺した男の娘を引き取ったのだが、やがてその事実を知った妻は、陽子に対し冷たい仕打ちをするようになる。そしてそんな母の対応に戸惑いながら、陽子は自らの実父が育ての親の実の子を殺したという事実を知って苦悩する。

深い味わいのあるストーリーとは別に、クリスチャンでもある三浦綾子のこの小説によって、私はそれまで何となくよくわからなかったキリスト教の「原罪」という考え方がよく理解できた。父の犯した許されざる罪にその子供が苦しむというのは、普通に考えると理不尽だ。だがそんな理不尽な原罪が、我が国にもあると言える。そんな原罪とどう向き合えばいいのか。韓国に対する態度は、それに対する回答のようなものだと思う。

最近の事、ホワイトハウスのサーバーが日韓両国からの請願アクセスによりダウンしたと産経新聞が報じた。韓国は今「日本海」を「東海」という呼称に変えようという運動をしている。アメリカ政府に対し、米国の教科書に記載されている日本海の呼称を改めるように要請し、それに危機感を持った日本の愛国者が阻止の請願を出したのである。またその後、アメリカ・ニュージャージー州の韓国系住民の多いパリセイズパーク市で、公立図書館に従軍慰安婦の碑を建てたと報じられていた。

韓国は竹島を実効支配し、従軍慰安婦問題なども含めて何かと反日的だ。日韓対抗のサッカーの試合でも、東北大震災の被災をあざ笑う横断幕が出されたりしている。そんな対応は腹立たしいし、私も反韓感情を隠していない。中国は重要な相手だし、反日とともに親日的な要素も持っているから、うまく折り合いをつけて付き合っていくべしと考えているが、韓国には親日的なものはまるで感じられない。喧嘩をすべしとは思わないが、あえて関わり合う事もないという考えだ。

だが韓国の立場に立つと、理解できるところもある。人間はやった事よりやられた事を根強く覚えている。原爆や空襲で大勢の市民を虐殺されても笑顔でアメリカと付き合えるのは、日本人には「水に流す」という文化があるからだと言うが、韓国にはない。今でも朝鮮人という言葉の中には蔑みのニュアンスがあるし、「チョン」という言葉もある。差別意識は昔からずっとあるし、彼らの痛みも相当なものだと言える。加害者にはわからない痛みだろう。

それこそが日本人の原罪だと言えるのではないかと思う。そうだとしても、だから何でも黙って耐えるべしとも思わない。日本海は韓国が主張する遥か以前から日本海と世界で呼称されているし、竹島はサンフランシスコ講和条約で世界から日本領と認められている(正確に言えば韓国領とはされなかった)。従軍慰安婦問題は、国家としての犯罪ではないという主張の方が筋が通っている。主張すべきはところはきちんと主張すべきだ。

原罪に対する贖罪意識も大事だと思うが、それだけでは永続的な関係は築けない。だが相手が許さないのなら仕方ない事だ。もう諦めるしかない。それよりももっと目を向けるべきものがある。台湾やトルコなどの親日的な国との付き合いが実に希薄だ。相手の好意をもっと重要視し、それに最大限応える努力をもっとすべきではないだろうか。

最近ではウズベキスタンもかなり親日的なのだと知ったし、日本に好意を持ってくれる国はかなりあるようだ。そうした国々と官民あわせ、国際協力・交流を進めるべきではないかと思うのだ。韓流ブームなどと浮かれているべきではない。台湾映画だってもっとみんなが観るべき感動的なものはあるのである(「海角7号 君想う国境の南」など)。

「汝の敵を愛す」などという事は、キリスト教徒ではない私にはできそうもない。それよりも「味方を愛す」努力をしたい。韓国に行く暇や金があるのなら台湾に行きたい。日本政府の冷たい対応に反し、多大なる義援金を送ってきてくれたこの国をもっと大事にすべきなのだ。韓流よりも親台のスタンスをこれからも貫きたいと思うのである・・・


【本日の読書】
采配 - 落合 博満  偶然の科学 - ダンカン ワッツ, 青木 創





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