子供の頃、よくトランプをした。
いろいろなトランプゲームの中でも特に「神経衰弱」が私は得意だった。
親戚などが集まって神経衰弱をやったりした時はいつもトップだった。
大人たちは「あれっ!この数字どこかにあったな、どこだったっけ?」とおろおろしている間、私はしっかりとマークしていて、順番が回ってくるとごっそりいただいたものである。
大人たちが悔しがるのを横目に、子供心に得意になっていたのだ。
考えてみれば、トランプはかなり偶然に左右されるゲームが多い。
「七並べ」然り、「ババ抜き」然り。
手元に配られるカードはすべてコントロール不能だ。
勝つも負けるも運がかなり影響する。
しかしながら神経衰弱はほとんど実力。
そんなところも高い勝率に寄与したのかもしれないが、そんなふうに実力で勝敗を決められるからこそ、神経衰弱は好きなトランプゲームであったのかもしれない。
最近、我が家でもたまにトランプをするようになった。
Wiiで遊ぶのもいいが、昔ながらのボードゲームやトランプも無視するわけにもいかない。
それはそれで良いのだが、トランプで神経衰弱をやると娘にしばしば負けるのである。
昔取ったなんとかで、最初は余裕で相手をしてやり、時にはわざと勝たせて機嫌を取ったりしていたものの、この頃実力で負けるのである。
難しいゲームでもないし、ただ単に記憶力だけのゲームであるのだが、その記憶力が働かない。カードの種類と場所を覚えるキャパシティが減ってしまったのか、たくさん覚えていられない。ちょっと目をそらしたり、注意がそれたりするともうダメである。
そんな私をあざ笑うかのように、娘が次々と札をひっくり返して持っていく。
これが年を取ったと言う事なのであろうか、とふと思う。
きっとあの時の大人たちも同じようだったのだ。
きっとあの時の大人たちも同じようだったのだ。
何となく、子供相手だし、真剣にやっていなかっただけだろうと思ってはみるものの、それが理由かどうか心もとない。
夏にはプールで競争をしたが、まだ25メートル程度では余裕で負けない。
ところが50メートルとなったらわからない。
100メートルだとそもそも続けて泳げるかどうかの問題だ。
これは年というよりも体力の問題だから、挽回はできる。
たかだか10歳の娘に負けるものが出てきた事に、少なからず驚きを感じる。
思い返せば子供の頃、将棋では早々に父親を負かしていたし、神経衰弱は言うに及ばず、遊びで親に何か勝てないものがあったかと言うと、あまり思い当たらない。
それが当然だと思っていたが、逆の立場になると微妙だ。
元々負けず嫌いの性格の私だが、子供の成長は逞しくもあり嬉しくもあるが、まだまだ負けるわけにはいかない。
来週は長男の幼稚園最後の運動会。
かけっこではまだまだ私とは勝負にならないが、いずれ私よりも早くなるのだろう。
ただ、それが私が衰えたという理由ではあってほしくない。
少しずつ運動始めようかなとも思う。
神経衰弱はいずれまたそのうち機会もあるだろう。
今度は一つ真剣勝負してみようと思う。
子供相手に大人げないという問題ではなく、これは自分自身へのチャレンジだと思うのである・・・
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