2009年8月29日土曜日

宝くじは買えば当たるのか

 海の向こうでは200億円の宝くじが当たったと話題になった。1~3億円で騒いでいる我が国とはスケールが違うと思わされる。そんな話をランチタイムの時に同僚とした。
「200億どころか1億だって当たらない。今年もサマージャンボ当たらなかったなぁ・・・」とぼやく同僚。そして私にサマージャンボは買いましたかと訊ねてきた。

私はといえば、以前もご紹介したが、もともとくじ運が悪い
別にそれを悲観しているわけではないが、それもあって宝くじは買わない主義である。
そんな私だから宝くじとなると勢い、会話は次のようになる。

「いや、僕は買わない主義だから」
「えっ、何でですか?」
「当たらないからさ」
「どうしてですか、買わないと当たらないじゃないですか!」
「買っても当たらないもん」
買わなかったら当たるわけないじゃないですか!」

そう確かに買わないと当たらない。
しかし、では買えば当たるのか?
それを考えるとしたら、やはりあれこれ感覚でモノを言うよりきっちり確率で考えるのが順当だろう。

宝くじの当たる確率は、正確なところはわからないが、ざっくりと推定するとだいたい1/10,000,000くらいらしい。1/10,000,000といってもピンとはこない。サイコロを振ってある目が出る確率は1/6。2回続けて同じ目が出る確率は1/6×1/6=1/36。同様に3回だと1/216。こうしていくと9回目で1/10,077,696となる。つまり、サイコロを振って9回続けて同じ目が出る確率と一緒ということになる。

ただでさえくじ運の悪い私にとって、9回続けて同じ目が出るなどという事はまずありえない。やっぱり「当たらない」と言い切っても大丈夫みたいである。

いや、夢を買うんだよという説はある。しばしの間、「当たったら何を買おう」という幸せな夢を見る事ができるではないか、と。夢を見られる人は良いだろう。たかだか3,000円である。パチンコやギャンブルに夢を求めるよりも健全だし遥かにいい。そのくらいの夢をくだらないと笑うほど私も醒めているわけではない。ただ、私はもともと素直な性格だから、夢を見る楽しさよりも実現しなかった時の落胆の方が大きいタチである。だから自分には合わないのである。

一方我が家の奥様は毎回律儀に夢を買っている。そうして律儀に私に夢を分けてくれる。毎回欠かさず買っている妻の口癖は、「当たったら100万円あげるわ」である(たった100万円と思うかもしれないが、妻を知っている人は100万円も、と絶句するかもしれない・・・)私は自分では絶対買わないのに、こう言われると期待だけはしてしまう。そして「買い損なった」などと言われれば、ついつい自分から「会社帰りに買ってきてあげるよ」などと言ってしまうのだ。妻は目立つところに宝くじを置いて、子供にも当たるように拝ませているが、残念ながらいつも願いは聞き届けられない・・・
私もこの程度の夢のおすそ分けならがっかりしなくても済む。

銀座の有名な宝くじ売り場。1番(だったかな)の窓口だけ長蛇の列で、お隣の窓口は閑古鳥。同じブースで出所は一緒だ。冷静に考えれば同じブースだから1番窓口だろうと2番窓口だろうと買う窓口によって当たりはずれには何の関係もない。それにどこで買おうと1枚当たりの当選確率は同じである。なのに1番窓口に列をなす人々・・・滑稽な行列を見てはいつも楽しませてもらっている。

宝くじを買う人のことをとやかく言うつもりはまったくないが、私自身はこれからも宝くじを買うつもりはない。負けるとわかった勝負はしないタチだし、負けるとわかっていても勝負しなければならない時があるとは思うが、宝くじはそんな勝負ではないと思っている。そのエネルギーと3,000円とは他に生かしたいと思うのである・・・


【本日の読書】
「交渉術」佐藤優
「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎
    
    

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