参院選まであと一週間となった。そんな週末に選挙公報がポストに届いていた。選挙は国民の義務と自覚して毎回必ず投票しているが、その場でなんとなく決めるのではなく、きちんと考えておこうと、せっかくだから目を通す事にした。
選挙公報は二種類あって、「比例代表選出」分と「東京都選出」分である。「比例代表選出」は、各政党が前面に出ている。それぞれ最大1ページを使っているが、やはり自民党が候補者が最多。残念ながら名簿順はわからないが、現役の議員はもちろんのこと、郵便局、JAからさりげなく1名出ているところに、それぞれに対する「配慮」が感じられる。歌手やプロ野球選手といったタレント候補も入れて、最強の布陣という感じがする。
自民党と同じく1ページを全面使っているのは共産党と民進党だけで、後の政党は紙面を分割して使用している。それは候補者数の関係なのか、予算の関係なのかはわからない。やはり自民党の対抗馬はこの2党になるのであろうことは、紙面にも表れていると言える。肝心の政策面でいけば、安全保障法案や消費税に関する賛否が多いが、個別には「消費税増額と同時に増額した議員報酬を30%削減」という「おおさか維新の会」の主張が目に付いた。こんな事実知らなかったから、これは実現させて欲しいところである。
一方の「東京都選出」分は、無所属が多くなる。こちらは個人での立候補となるから、政党色が薄まり、人物も公約もバラエティに富んでいて、実は毎回密かに楽しみにしている。自民党党員であるにもかかわらず、安倍政権を総辞職に追い込むと主張し(だから非公認なのだろう)、「日本版FBIを創設」年金制度改革、日銀改革、防衛省改革などに「秘策」を持って臨むという方。
「中韓から日本を守る!」と頼もしい方。手書きの趣意書を掲示している方、ありきたりの「女性ならでは」を主張する方、「ガン療法自由化」を訴える方(自由化と言うが、日医の陰謀で多くの患者が苦しんでいるらしい)、イエスさまの公認を受けられた方、「ゴミ政治家の一掃」を訴える方など、概ね無所属は自由な気風が溢れている。読んで楽しむだけであるが、投票対象ではもちろんない。一方、政党公認候補となると、さすがにどこの党もそれなりに「まとも」である。
個別には、「消費税をやめて富裕税を」と言う主張が目に付いた。これはちょっと面白いかもしれないと思う。富裕層からすればたまったものではないが、格差がいいとは思えないし、使いきれないお金を持て余している人には、世の中に強制還元する考えもあって良いと思う。こう言う一見突拍子もない意見が世の中を変革する力にもなるだろう。この主張をする無所属の方(三宅洋平氏)は、他の無所属候補と比べると、かなりまともな主張をしている。しかし、どうも個人的には好きになれないタイプであり、票を入れる気にはなれない。
選挙といえば、「誰に入れて良いかわからない」とか、「入れる人がいない」とかの声をよく聞く。自分も確かにそう思う。確信を持って「この人に入れたい」、「この党に入れたい」というのがないのである。ただ、選挙公報を読むだけで、各候補者が主張している内容に自分自身で自然と批評することになる。これも問題意識を持つという意味でいいことだと思う。こうして問題意識を持つことが、何よりスタートだという気がする。
さて、来週はいよいよ本番。あと一週間で、どこに投票するか、きちんと考えておこうと思うのである・・・
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