その昔、友人と大学の卒業旅行でオーストラリアに行った。
あちこちで景色の写真を撮るたびに、その友人は「日本人が写る」と腹を立てていた。
それほどどこへ行っても必ず日本人がいたのである。
サイパンなど、日本人だらけだったと聞いている。
そんな話も今は昔。
今回サイパンに初めて行って感じたのは、「中国人だらけ」という印象だ。統計を取ったわけではないが、皮膚感覚では日本人より多いのではないかと感じた。耳に入ってくる言葉を聞けば中国語だというのはわかるが、それが北京語なのか広東語なのかまではわからない。だから中国人と言っても、本土以外に台湾人も混じっていたかもしれない。
そしてその次に多かったのが韓国人。ホテルでもビーチでも、中韓に圧倒された感じであった。さらに意外なのがロシア人。白人系は、やっぱりアメリカだからアメリカ人かと思っていたが、よくよく聞き耳を立ててみるとロシア語を話していた。モスクワなどからだと距離もあるが、ハバロフスクなど極東なら距離的にもそんなに遠くない。伝統的に南進の歴史のある国だから、案外手頃な観光地なのかもしれないと感じた。
そんなわけで、プールサイドでは、中国語、韓国語、ロシア語に地元の従業員が話すチャモロ語、さらに関西弁が混じってなかなか国際色豊かであった。プールサイドでは国際色豊かでも、DFS(免税店)へ行くと中国一色である。中国人はわりと家族単位で来ているようだが、免税店では数で圧倒。私も時計に興味を惹かれて寄って行ったが、10万円以上の高級時計のショーケースの前は中国人グループに占拠されて近寄れなかった。
まぁ別に支障はなかったのだが、店員さんも中国系で、お互い中国語でやり取りをしている。今回あちこちで、「ジェットスキードウ?」「マッサージ、ヤスイヨ!」とカタコトの日本語で話しかけられたが、それらが中国語に変わるのもそんなに遠い未来ではないと思う。
いろいろ観察していると、韓国人はカップルで来ている人が多いようだった。恋人同士なのか夫婦なのか、子連れの若い夫婦も含め、大概が若いカップルだった。中国人はその外見で大体それとわかる。ファッションが日本人と違う(特にメガネとヘアスタイルはすぐわかる)というのが一番であるが、その点韓国人は見かけで判断するのが難しかった。大陸系の顔立ち以外ではちょっと見分けられない。それだけ韓国とは距離が近いのかもしれないと思われた。反韓人を公言して憚らない私であるが、いろいろ観察してみると、実際会話でもしたら反韓の印象が変わるかもしれないと、なぜだか漠然と感じたのである。
中国人はファッションの相違に加え、態度も気になった。レストランでもDFSでも、「金持ってるんだぞ」という雰囲気を醸し出していた。まさに田舎の成金という感じだ。それらは見ていてあまり気分の良いものではない。ただ考えてみると、かつての日本人もそうだったようだし、「中国人だから」と決めつけるのは良くないだろう。そういう姿を見て、日本人も自らの態度を省みる必要があるだろうし、「人の振り見て我が振り直す」良い機会なのかもしれないと思う。
かつて日本人ばかりと嘆いた友人Kだが、今のサイパンを訪れたら何と思うだろう。たぶんこの傾向はもっと加速するような気がする。もしも溢れかえる中国人旅行者に不快感を抱くとしたら、それはそのままこれまで日本人が与えてきたものかもしれないと思った方がいいのだろう。
仮にもしも中国人旅行者がもっと増えて、我々日本人の肩身が狭くなったとしても、そうなったからと言って何も嘆くほどの事はない。周りがどうであろうと、自分達の旅を楽しめば良いだけの事だ。時折見かけたロシア人旅行者たちは、実に悠然と過ごしているように見えた。我々もまたそれを見習って悠然と過ごせば良いだけだ。我が物顔に札びらを切って大きな顔をするのではなく、地元の人に愛される旅行者になるように振舞うべきなのだろう。
今回の旅行を通じていろいろと思うところも多かった。我が家もそんな旅行者になれるよう心掛けたいと思うのである・・・
2013年8月2日金曜日
2013サイパン旅行記~観光客編~
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