2009年10月17日土曜日

スイーツ男子

 以前にも書いたが、最近は次々と新しい呼び名が登場している。スイーツもその一つ。ケーキやプリンなどの甘いものの総称のようであるが、近頃よく耳にするし、すっかり定着したようでもある。特に若者を意識しての事であろう、コンビに行くと「スイーツ」という言葉が氾濫している。

 先日ファミリーマートに行ったら「男子スイーツ部」などというのも見かけた。昔は「男子たるもの」は女の子のようにケーキ類についてあれこれ語るのは憚られたものであるが、最近は「草食系」が増えてきたのかどうやら抵抗感もなくなってきたらしい。それに大抵男性にとってこの手のものは、「量が少ない」という欠点があったのであるが、増量したものを売っているようである。明らかに男性をターゲットにしている。まあそれはそれで商売になるのであればいいのであろう。

 「男子たるもの」と言ったところで味覚的にはそれほど男女間に差があるわけでもなく、男子だってスイーツ好きはいたはずである。それがなんとなく「憚られて」表に出せなかっただけである。だから別に不思議でも何でもないわけで、突然近頃の男子達がスイーツ好きになったわけでもない。隠れていたものが出てきただけと言えよう。

 かく言う私も実は大のケーキ好き。かつて学生時代に家庭教師のアルバイトをしていた時の事、ある金持ちの歯医者さんの息子さんを教えていたが、何より嬉しかったのは当時世間相場の2倍のバイト料もさる事ながら、休憩時間に出されるケーキだった(その他のご家庭ではさすがにケーキは出てこなかった)。

 今でもバイキングなどでは必ずデザートのケーキは食べている。しかもそこそこの量をだ。最近よく高校関連でバイキング形式の懇親会に出るが、その時も密かにいくつも食べている(この「密かに」というのが「スイーツ時代」でなかった証かもしれない)。そうしてみると私もいわゆる「スイーツ男子」なのであろうか?

 最近の若者は、ケーキバイキングなんかにも男同士で行ったりするそうである。まぁ吉野家で女性が堂々と牛丼をかき込んでいるご時勢であるから、いいのであろう。それにしても人目を気にせず、女性陣に交じって堂々と行けるのは大したものである。残念ながら私にそこまでの度胸はない。


 先日妻が義母と銀座に行った帰りに「ラデュレ」というお店(本店はパリだそうである)でマカロンというお菓子を買ってきた。
何でもけっこう有名らしい。一個のお値段がケーキ一個分くらいするそうである。一緒になってあれこれ語るほどではないが、みんなでスイーツを食べる瞬間は幸せを感じる一時だ(マカロンは味とお値段がマッチしていないと我が家の女性陣からは不評であった・・・)。

 堂々とスイーツを語れるようになったいい時代とも思うが、それも人によりけりか。我が職場の某同僚、外見は安倍譲二みたいなのであるが、この人も大のスイーツ好き。東にうまいものがあると聞けばわざわざ出かけて行って食べてくる。先日も我が街までやって来て、評判のシュークリーム(@100円)を買って帰ったらしい。一人部屋に帰って5個もシュークリームを食べる姿を想像すると、やっぱりなぁと感じてしまう。スイーツおじさんは外見も重要な気がする。

 スイーツ男子かどうかはともかく、美味しいものを食べられるのは何より幸せな事。これからも密かにであるかどうかは別として、いろいろ味わいたいと思うのである・・・


【昨日の読書】
「なぜ隣の奥さんはラブホテルファンドでバーキンが買えたのか?」嶋野宏見
「夜のピクニック」恩田陸

     

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