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子供の頃、宇宙に興味を持ってよく学校の図書室で宇宙の本を借りたり、プラネタリウムに連れて行ってもらったりしたのを覚えている。東京では夜空の星を眺めるということはあまりできないが、長野県にある祖父母の家に行った時などは、東京とはまったく違う夜空に煌めく星々に見入ったものである。オリオン座などの星座は東京でも見られるが、星々の間に浮かび上がるオリオン座というのは東京ではお目にかかれない。今でも祖父母の家に行くとやっぱり夜空を見上げてしまう。
48年前に打ち上げられたボイジャーがなんと今でも活動していて、地球にデータを送ってきているという。時速6万kmと言われてもピンとこない。かつてソ連の戦闘機ミグ25の最高速度がマッハ3(3,600km)だったと記憶しているが、その17倍の速度となるわけで、たぶん重力やら空気抵抗がある地球上では出し得ない速度であろう。そんな速度で休みなく地球から飛び続けて48年(まあ、太陽系内ではいろいろと寄り道はしたであろうが)。ようやく1年後に地球から「1光日」の距離に達するのだとか。
思わず見直してしまった。「光日」なのかと。宇宙の単位でよく聞くのは「光年」である。光日という事は、1光年の1/365という事である。小説『三体』で描かれているのは、4光年先の恒星系アルファケンタウリから来る宇宙人の話。4光年だとざっくりボイジャーでは17,000年かかることになる。しかし、宇宙の距離では1光年など可愛いもので、銀河系の大きさは直径が10万光年だということだし、アンドロメダ銀河までの距離は250万光年だという。「ボイジャーでは」などと言い出したらわけがわからなくなるスケールである。
さらに地球から最も遠い銀河までの距離は138億光年だという。一体どれだけ宇宙は広いのだろうか。子供の頃、無限に広がる大宇宙に思いを馳せたのもそんな計り知れないスケールに魅了されたからなのかもしれない。しかし、大人になって思うのは、「それって本当なのか?」という猜疑心。なんでも疑うのはよくないが、それでもどうしてそんな距離を測れるのかという疑問は拭い去れない。調べてみると、近い距離は地上と同じ三角測量であるが、遠い距離は光(明るさ)なのだという。どちらの方法も考えてみれば凄いことである。
三角測量も夏と冬とで地球の位置が違うことを利用してのものであるが、星の一つ一つを見失わないようにするだけでも大変だと思う。ましてや明るさなどもである。それにそんなに遠い星からの光が届くというのも不思議である。アニメドラマ「宇宙戦艦ヤマト2199」では、地球から8光年離れたヤマトが望遠鏡で地球を見るシーンが出てくる。8光年先で見る地球はまだガミラスの侵略を受けて赤く焼けただれる前の8年前の地球なのである。そんな望遠鏡が実現可能かどうかは別として、理論的には成り立つエピソードである。
もしももっと高性能な望遠鏡ができれば、距離と位置をうまくあわせれば過去の地球の様子を見ることができるわけである。地上の様子まで見ることができる望遠鏡であれば、日本軍の真珠湾攻撃もリアルタイムで見ることができることになる。もっとも恒星と違って光が届くかどうかという問題もある。恒星であっても何億光年も離れているのに光が届くというのもにわかには信じがたいものがある。地上の大気に包まれた環境と単純に同一視はできないが、果てしなく広がる宇宙空間の中で恒星の光が何億光年も届くというのはどうも想像しにくいものである。
恒星もまた大きさは一定ではなく、まちまちのようである。観測史上最大のものは我らが太陽の2,150倍だという。土星の軌道まですっぽり入る大きさと言われてもピンとこない。そのくらいになれば光もかなりの距離に届きそうな気もする。そしてさらに「宇宙に果てはあるのか」などと考え出したら思考の泥沼にハマりそうな気がする。我らが太陽系や地球やましてや人間など、もしも宇宙スケールの神様がいたとしたら、きっと人間は目にも止まらないほど小さな存在であろう。
クヨクヨと悩みたくなるような事があった時、宇宙のことを考えるといいかもしれない。我々はホコリよりも小さな存在で、そんな中で悩んでいることなど小さ過ぎてどうでもよくなるかもしれない。近眼と東京という二つの障害に阻まれて夜空の星をゆっくり眺めるという機会はあまり取れないが、それでも祖父母の家の庭から見た星々が煌めく夜空が時折恋しくなる。じっと眺めていれば、いつまでも眺めていられそうに思う。そうして物思いに浸る。そういう贅沢な時間をたまには持ちたいなと思うのである・・・
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| Mattia VergaによるPixabayからの画像 |
【本日の読書】




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